「ハンモック好きな猫③」 足あとアザーストーリー足あと
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猫妖精のハンモッティが秘密の洞窟でお昼寝をしていた頃、遠く離れた北の王宮では妖精の女王が心を痛めておりました。


洞窟は…雪・氷・水の魔法を司る女王の力が働き、冷気が我が子を包み込みます雪の結晶

体が凍えてしまうのに、ハンモッティは何かとここへやってくるのです。

晴れ同じ頃、南の国の獅子王がハンモッティのおうちへ向かっていましたしし座

南半球最大の城にて猫族を束ねるこの王様は、ハンモッティの父です足あと

しし座「お前たちは何をしているのだ?」と王が呼びかけます。この猫たちも王と妖精の母との間に授かりし子どもたち。
ぐぅぐぅんー、と気持ちよく眠っていた兄弟猫ですが…!?
慌てて、父の前にひれ伏します。

しし座「妹のハンモッティとこの家で暮らすようにとは言ったが、あの子の大切な寝床を横取りしてどうする…」
三毛猫「これ、ついおもしろそうであせる」と兄猫が言いかけると、父王は静かに、かつ凛とした口調で諭します。

しし座「私はこれまでお前たちに騎士道、帝王学、またたびセンサー発動法など叩き込んできたつもりだが、この浮かれ様では勤学のやり直しだな?」
三毛猫「申し訳ございません、あの子が時々体を冷やして帰って来るので、温めようとしているうちにあせる」と弟猫も反省します。

父は一息ついて「あの子は来年、北の城へ帰る」と告げます。兄弟猫は驚きました。
妖精と獣の子どもは夏至の日を9回迎えると、各々完全な妖精か獣に戻り♂男の子は父の元へ♀女の子は母の元へ還ると。

これは自然の神様が決めた事…
妖精と獣の能力を持ち合わせたまま百年、千年と生きて力をつけてゆくと、森羅万象を脅かす存在に成りうると。

しし座「お前たちは14歳と12歳、すでに妖精の力は失くなり猫になった。
ティティは次のミッドサマーには、母に似た美しい妖精となるだろう…」
しし座「今、学びの最終段階に入り妖精や獣たち、魔物や人間なども助ける験を重ね、徳を積んでいる…」

今日も寒い洞窟にいるから頼むと息子たちに願い、父は去った。

今夜はミッドサマーのおまつりで、砂漠の城には様々な猫たちや妖精たちが遊びに来る。夏至の空も妖しげだ。


父は砂漠を走りながら、幼いティティとめぐった華やかなまつりの夜を思い出す。

目とうたまー、ティーはとうたまと母たまと手ってつないで、ここ歩きたいー目


私だってあの方をお招きしたいのだよ、でもそれは叶わない、いつかそなたとお別れする時に何もかもお話しするよ、カーニバルやパレードの中を歩きながら心で呟き、別の言葉で答えを濁していた。

ま、いいか…
しし座ティティ、その時が来たら私はそなたを抱いて北の王国へ届けようぞ。
私はあちらへ出向けるがあの方は南へは来られない、君もそうなるんだ。

でも何も心配は要らないよ。君たちに危機が訪れれば、いつでも助けに行くからね。
例えどんな事があっても、我が身に代えてでも妖精たちの楽園は守り抜くからね。

ティー、とうたまの子に生まれてきてくれてありがとう、本当にありがとう。
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「猫妖精のハンモッティ 番外編② ~砂漠の獅子王~」(未刊)