「ハンモック好きな猫②」
アザーストーリー






猫妖精のハンモッティがお昼寝をしていた
あの時…妖精の世界では、ただならぬ事件が起きていました。
「妖精の女王様、お助けください!」
泉は北の王国へつながっていて、妖精たちは何か困りごとがあればここを訪れます。

ハンモッティの母たまは北半球最大の王宮にてまつりごとを行う、そして全世界の妖精たちを束ねる妖精の女王です。
水面の向こうから声が聞こえます…


心ない人間は眠らせています、遠い場所ですから迎えを出しましょう✨










さ、お家へ戻りなさい。先程の子馬が、
あなたたちの大切な子を連れ帰ります✨
陛下!ありがとうございます!すぐに戻らさせて頂きます!
女王の言葉に礼を述べ、マリエッティの家族は急ぎ泉を後にします。
女王への感謝と尊敬の想いを胸に。


やったー!!
みんなで抱き合いました!
マリーは来週のミッドサマーに向け、いつもより遠くのマーケットへ出かけた際、心ない人間の罠にかかってしまったと…。
自動車という乗物で連れ去られ、どうしようと思っていたところ、急に人間が眠気に襲われ車を止め…
その時! まるで風神雷神のように駆けつけたこの馬が助け出してくれたのだと。



大変!と両親に相談します。
あの子ったら、大事なハンモックをでっかい猫たちに奪われたらしいの、代わりになる寝床を作ってあげなきゃ!
娘の切なる願いに父と母も賛同します。
では一緒にと、夕食もそぞろに何かと落とし物が多い海岸へ出向きます。
小さな小さな妖精たちが夜の砂浜で、
懸命にアレでもないコレでもないと探し…





ありました!ハンモッティが気に入りそうなつるつるでかわいらしい浮き輪が…

早く!早く!直して届けなければ!
雪が…



南の国の妖精たちは、びっくらこっけ

生まれて初めて、長い長い一生において、
一度は見てみたいと思っていた「雪」というものに触れることができたのです。



それはほんのいっときでしたが、妖精の女王からの めっちゃ素敵な贈り物でした





「猫妖精のハンモッティ・番外編①~ 妖精の女王~」(未刊)