なんせこれまでずっと
やまいひとつ
けがひとつせずに
そなたの人間が
何度も何度もわしに祈っての…
どうか助けてほしいと
自分の寿命は全部預けます
どうかその分
この猫を生かして下さいと
この猫が死んだ次の日に
私の命を取って下さって結構です
でも次の日にして下さい
この猫をきちんと埋葬する時間だけは
下さいませ…と
いい人間とめぐり会えると
猫の運命が変わる。
うん?解っておるとな。
思い出すのぅ…。
あの海辺の町で産まれ
さ迷っておったおさなごが
今こうして大事にされておる。
こたびのやまいは
これからもそなたをむしばみ続け、
痛みや苦しみをもたらすじゃろう。
だがしかし、
そなたのあの…
バカ正直な人間がついている限り
きっと乗り越えてゆけるものだと
だから…
できるだけ長く、永く、
そちらの世界に留まるがよい。
そして…
余りある愛を受け与え
悔いのない生涯を全うしたのちに…
わしのもとへ帰っておいで。
「猫神様からの手紙(未刊)」より








