丁度壱年前の今日…
ラリー’Sシアター
そなたが歩けなくなったのは

誰しもが平等な寿命じゃ。
ラリー’Sシアター
幼き頃よりそなたを見て来たが

そなたは強い猫じゃ。
ラリー’Sシアター

なんせこれまでずっと

やまいひとつ

けがひとつせずに

生きてきたからの。
ラリー’Sシアター
じゃが、あんよが悪くなってから

そなたの人間が

何度も何度もわしに祈っての…

どうか助けてほしいと

自分の寿命は全部預けます

どうかその分

この猫を生かして下さいと

この猫が死んだ次の日に

私の命を取って下さって結構です

でも次の日にして下さい

この猫をきちんと埋葬する時間だけは

下さいませ…と

何度も何度もな。
ラリー’Sシアター
そなたは幸せものよ~

いい人間とめぐり会えると

猫の運命が変わる。

全てが決まる。
ラリー’Sシアター

うん?解っておるとな。

そうか。
ラリー’Sシアター

思い出すのぅ…。

あの海辺の町で産まれ

さ迷っておったおさなごが

今こうして大事にされておる。

わしも喜ばしいわぃ。
ラリー’Sシアター
老い、寿命、それらからくる

こたびのやまいは

これからもそなたをむしばみ続け、

痛みや苦しみをもたらすじゃろう。

だがしかし、

そなたのあの…

バカ正直な人間がついている限り

きっと乗り越えてゆけるものだと

わしはちゃんと見護っておるからな。
ラリー’Sシアター

だから…

できるだけ長く、永く、

そちらの世界に留まるがよい。

そして…

余りある愛を受け与え

悔いのない生涯を全うしたのちに…

わしのもとへ帰っておいで。


「猫神様からの手紙(未刊)」より