BOOKデータベースより

「『機織る武家』 

血の繋がらない三人が身を寄せ合う、二十俵二人扶持の武家一家。

生活のため、後妻の縫は機織りを再開する。

『沼尻新田』

新田開発を持ちかけられ当惑する三十二歳当主。

実地検分に訪れた現地のクロマツ林で、美しい女に出会う。

『遠縁の女』

寛政の世、浮世離れした剣の修行に出た武家。

五年ぶりに帰国した彼を待っていたのは、女の仕掛ける謎―。

直木賞受賞作「つまをめとらば」に続く清冽な世界。

傑作武家小説集。」

 

3短編とも、素晴らしい。

「機織る武家」は、暗くて、救われないような生活の場面が淡々と描かれているかと思うと

一変して機を織る場面が、まるで映画でダンスを踊る場面をみているような感じで。

他の2作も、私の知らない世界(新田開発とか武者修行~武家と武家以外との剣術に関わる思いの違いとか)を、リアルにまるで匂いさえ感じるように

見せてくれつつ、ミステリーのようなどんでん返しもあり。

本当に、期待を裏切らないどころか、期待をらくらくと超える、

素晴らしい作家さんです。

ただね表紙がちょっと。持って歩くには支障があるので、ブックカバーをかけて読みました。