内容紹介より

「「私、学校教育が太陽だとしたら、塾は月のような存在になると思うんです」
昭和36年。人生を教えることに捧げた、塾教師たちの物語が始まる。
胸を打つ確かな感動。著者5年ぶり、渾身の大長編。

小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、

ともに学習塾を立ち上げる。
女手ひとつで娘を育てる千明と結婚し、家族になった吾郎。

ベビーブームと経済成長を背景に、
塾も順調に成長してゆくが、予期せぬ波瀾がふたりを襲い――。」
昭和~平成の塾業界を舞台に、三世代にわたって奮闘を続ける家族の感動巨編。」

 

「感動巨編」というのは,ちょっとイメージ違う感じがします。

良い意味です。

家族の感動巨編というと,ブレずに,どんな困難にも立ち向かい,家族一丸初志貫徹!

ってイメージですが。

本作品は,ユーモアにあふれ,クスっと笑える部分もあり,

家族の思いも,お互い愛情は持っていても,すれ違うこともあり

社会の流れの中で,変わってくることもあり

人間って,人生って,一筋縄じゃいかないじゃないですか。

そんな部分を下敷きにしつつ,格差社会に至る現代のことまで

リアルに楽しく描かれる本作品。

かなりのページ数はありますが,さらっと楽しく,読めました。

私自身は塾には行ったことがないものの,塾関係者が身近にいるので,

すごく興味深く読みました。

昭和40~50年代に小学生だった方には,楽しいのじゃないでしょうか。

やっぱり,森絵都作品好きです!

 

みかづき みかづき
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