よくお客様に機械を使った施術をしないの?と聞かれます。
こだわりかもしれませんが、私は手で行う手技が重要だと思っています。
お腹が痛いときに手を腹部にあてる、不安や緊張を感じるときに手を頬に触れて気持ちを落ち着かせる。
このように何気なく身体のどこかに手を当てて、自分自身を癒やしていることは多いはずです。
あるいは信頼している人に手で触れたり、その人からやさしく触れられたりすることでリラックスしたり、幸福感に包まれたりした経験がある人もいますよね。
ケガや病気などの処置をする医療行為を「手当て」といいます。
手当ての由来は諸説ありますが、普段から自然に行っている「手を当てる」ことによって得られる癒やし効果が原点という説もあります。
手で肌や体に触れると痛みが和らいだり、心が穏やかになったりするのは、理由の一つとして挙げられるのが「絆ホルモン」「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンと言う物質が理由です。
オキシトシンは人の脳で合成され、分泌される物質で、主にホルモンや神経伝達物質としての働きがあります。
脳から分泌されるオキシトシンの量は、親しい人と触れ合うなどのスキンシップによって増大することが研究によりわかっているそうです。
愛情がこもった手当ては安らぎを与え、ストレスを緩和する。
人との信頼関係を築く、母子の絆を深めるなど、さまざまな社会的行動と関わっていると考えられています。
オキシトシンが「絆ホルモン」「幸せホルモン」と呼ばれるのはこの働きがあるためです。
他にも手には〝たなごころ〟という言葉があります。
掌(たなごころ) まさに手の平にあるちからの事を言い、もともとは「手の心」だったそうです。
実際、手の平と心は、深い結びつきがあります。
その証拠として、手と手を握り合えば心が通じた気がしたり、緊張しているときは手に汗をかきます。
手で行う手技にこだわるのは相手が心が通っていないロボットではなく、心が通っている人間だからこそ、手技による施術が必要だと思っているからです。
手を通してお客様に伝えているのです。