擁壁の種類の1である補強土壁について、力学的な補強メカニズムを踏まえて概要を述べよ。
また、補強土壁を急峻地形および集水地形に適用する場合の留意点をそれぞれ説明せよ。
■回答
1.補強土壁の概要について
土中に補強材を配し、土の変形が拘束され、作用する土圧が軽減し支持力・斜面安定性が向上させる。
補強メカニズムとして3つの工法に大別される。
(1)帯鋼補強土壁(摩擦抵抗力)
鋼製補強材を線状に配置して補強。
(2)ジオテキスタイル補強土壁(摩擦抵抗力)
高分子プラスチック系材料を免状に配置して補強。
(3)アンカー補強土壁(支圧抵抗力)
壁面とアンカープレート付き棒鋼で盛土を拘束。
2.補強土壁の留意点
(1)急峻地形
支持層や地層構成を確実に把握するため,入念な地盤調査を実施して,設計に反映させる。降雨や地山からの湧水等による水の影響を受け易いため、基礎地盤や地山からの湧水の状況等を十分に把握し,適切な規模の排水施設を設ける
(2)集水地形
補強領域に浸透した水は盛土荷重の増加に加え,間隙水圧の上昇による盛土材のせん断抵抗力及び補強材の引抜き抵抗力の減少を招くなど補強土壁の安定性を大きく低下させる。そのため、事前に表面水や地下水,湧水の状況を把握し,十分な排水施設を設け,浸入する前に表面水や湧水等を補強土壁外に排除させる。
■自己評価
この問題は補強土壁に関する問題です。
能登地震で、盛土が話題になっています。
補強土壁の工法には、テールアルメや、多数アンカー、ジオテキスタイルが比較されやすいです。
なので、これらの3つのの抽出し、概要を説明させ、特徴を比較させるような問題(道路や都市計画、施工計画、河川砂防などの科目で)が来年度あたり出題がされそうな気が…。