鉄筋コンクリート構造物の劣化機構について次のうちから2つ選び、それぞれについて、劣化現象を概説せよ。また、選んだ劣化機構について、劣化を生じさせないよう事前に取るべき対策を各2つ以上述べよ。

➀中性化

②塩害

③凍害

④科学的侵食

⑤アルカリシリカ反応

 

■回答

1.②塩害

(1)劣化現象:

 沿岸部において、海水飛沫により塩分がコンクリートに侵入し、コンクリート内部の塩化物イオン濃度が限界値を超え、鋼材表面の不導体被膜を破壊する。

 破壊された部分から水と酸素が供給され、鋼材が腐食(さび)、体制が膨張することにより、ひび割れや剥離が生じ、コンクリート構造物としての性能が低下。

(2)事前に取るべき対策:

対策1:塩化物イオン総量を0.3kg/m3以下にする

対策2:鉄筋のかぶり厚を大きくする

対策3:樹脂塗装被膜の鉄筋を使用する。

対策4:航路セメントやフライアッシュセメントを使用する。

2.③凍害

(1)劣化現象:

 コンクリート中の水が外気温により凍結し、膨張する。スケーリングにより細かいひび割れ、剥離が生じることで、初期養生段階で、構造物としての強度、耐久性が不足する。ポップアウト状の形で劣化。

(2)事前に取るべき対策:

対策1:水セメント比を小さくする。

対策2:早強ポルトラントセメントを使用。

対策3:吸水性の低い骨材を使用

対策4:AE剤を使用し、凍結誘拐抵抗性を向上。

 

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