粘性土層で構成される軟弱地盤上において特に対策することなく盛土を構築した場合に、周辺地盤に生じる可能性がある地震変状の発生の仕組みについて説明せよ。

 また、周辺地盤の変状を抑制するための対策工法を2つ挙げ、それぞれについて工法の概要を説明せよ。

 

■回答

1.地盤変状の発生の仕組みについて

 水分を多く含む土質で、土粒子の密度が低い(一般的にN値が低い)特徴ともつ軟弱地盤は、せん断抵抗力等が低い。

 この軟弱地盤の上部に盛土を行うと、載荷荷重により軟弱地盤にせん断力や圧密の力が生じる。

 これらの力が、軟弱地盤がもつせん断抵抗力や圧密に対する抵抗性を超過する場合、すべり破壊や地盤沈下などの地盤変状が発生する。

2.周辺地盤の変状を抑制するための対策工法

(1)固結工法

 石灰やセメント等の固化剤を原位置の軟弱地盤と攪拌混合し、化学的固結作用により改良体を形成し、支持力強化、すべり破壊防止、沈下防止、液状化防止等の地盤改良を図る工法である。

 固結工法は、添加量や攪拌の品質管理が重要となり、原位置土を採取し配合試験を行う必要があり、施工前に六価クロム溶出試験により無害を確認する。

(2)圧密促進工法

 軟弱地盤中に人口的に鉛直方向のドレーン材を設置して、排水距離を短縮することで、圧密時間を短縮し、圧密を促進させる工法である。

 圧密沈下の促進や強度増加促進の効果がある。

 対策の種類として、サンドドレーン工法やペーパードレーン工法などがある。         以上

 

■自己評価

キーワードをたくさん挙げられるように工夫しました。

1文が基本が2行程度におさまるように工夫しました。

 

対策としては、似たような対策を挙げるのではなく、地盤がそもそも沈下しないようにする対策と、盛土する前に沈下させてしまう対策と全然別の対策を挙げてみました。

 

■キーワード

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