地下水位の高い市街地において、鉄道トンネルを整備するためシールドトンネルの発進立坑(長さ20m*幅20m*高さ25m)を構築中、深さ15mまで掘削した時点でソイルセメント地下連続壁の壁面からの以上出水があり、周辺の地盤に一部沈下が発生している。このため連続壁内の水没、道路の通行規制等の応急対応を行った後、工事が中断している。なお、立坑に隣接して作業ヤードがあるとともに、周辺には店舗・住宅、ライフラインが埋設された道路がある。
 
(1) 異常出水の発生を受け検討すべき事項のうち重要と思われるものを3つ挙げ、その内容について説明せよ。
(2) 掘削工事の早期再開を実現するために必要となる手順を示し、現場責任者として、どのようにマネジメントするか、留意点を含めて述べよ。
(3) 掘削工事再開後、現場責任者として発揮すべきリーダーシップについて述べよ。
 
▪️回答
1.  異常出水の発生を受け検討すべき事項
(1) 発生原因
異常出水の発生日時、発生位置、発生箇所の規模、発生時の地下水位、背面土圧、掘削底面の状況、ソイルセメントの材質、ソイルセメントの施工方法等を調査し、これらに基づいて発生原因を検討する。
検討にあたっては、再発防止策や発生機構、影響の程度等についも併せて行う。
(2) 周辺環境への影響
隣接箇所の作業ヤード、周辺の店舗、住宅、ライフラインが埋設された道路への影響を検討する。作業ヤードへの被害程度を調査し、今後の利用可否、利用不可の場合は復旧対策を検討する。店舗・住宅、ライフラインや道路は、影響範囲を把握し、個々の物件ごとに影響の程度を評価し、補償等の内容を検討する。
(3) 出水箇所への対処方法
異常出水を早く止めるための止水方法を検討する。
水中ポンプ等により、掘削内水を低下させる。薬液注入工法などの対処方法が妥当かどうか検討する。
2.  掘削工事の早期再開への手順とマネジメント
手順1:事前調査
上記1の内容を含め、現場特性・問題点等を整理する。この際、箇所が市街地であることから、個々の物件への影響が対策工事後も、苦情の原因となることが想定される。写真や計測による数値で、客観的な指標で、評価する。また、原因に応じた対策を実行しないと効果が有効に得られないため、必要に応じ専門家へのヒアリング等も実施する。
手順2:対策案立案及び実行
安全性、施工性、経済性等の観点から、復旧対策(止水対策)として、総合的に最も優れる対策を選定し、これを対策(案)として、発注者などを協議を行い、了承を得て、対策を実行する。実行する際は、周辺の住民や関係機関への情報を事前に、工程表や想定される影響等も事前周知する。
手順3:再度災害防止策への合意形成
対策案の実行後の効果等の検証を行い、掘削工事を進めて問題ないか技術的に評価を行う。止水対策だけでは再度異常出水のリスクがある場合は、施工方法の変更を含めて検討する。評価について、広く周知し、関係者の合意を得て、掘削工事を再開する。
3.掘削工事再開後に発揮すべきリーダーシップ
公益確保を最優先に業務にあたる。
具体的には、追加対策等により予算不足や工期不足が考えられるが、周辺の住民の生活環境や安心を確保するため、丁寧な情報提供がトレードオフになることが考えられる。
この場合も、デジタル技術を活用できるところは活用し、効率性を重視しつつも、公益確保人つながる情報発信については、最優先に確保して業務遂行する。

▪️自己評価 難しいですね。問題に書いてある単語すら分かりません。 ソイルセメント地下連続壁って、鋼管杭工法より安くて早くて、騒音振動が少ない工法らしいです。 要は、簡易な対策なんでしょう。 もっと、予算や時間を、かけてでも市街地に考慮した工法にして、でも、騒音振動には気をつけてね!というのが求めている回答の気がします。 専門知識の部分で完全に対応できません。m(_ _)m やっぱり、苦手科目での受験は無謀なのかな。