コンクリートの中性化の劣化機構について説明せよ。

また、コンクリートの中性化と水の浸透に伴う鉄筋腐食が併せて進展する構造物の維持管理方法について説明せよ。

 

■回答

1.中性化の劣化機構

 中性化は大気中の二酸化炭素がコンクリートの表面から進入し、炭酸化反応を起こす。

その結果、内部のアルカリ性が低下する現象である。

 劣化により鉄筋発錆による体積膨張で、コンクリート表面のひび割れや表面かぶり部の剥離が確認できる。

 さらに、劣化期では不導体被膜の破壊により鉄筋腐食が進行し、広範囲のかぶりコンクリート剥離による露筋が発生する。露筋部の鉄筋は腐食速度が加速し、鉄筋有効断面の減少による体力低下で構造物の安全が保てない状況となる。

 

2.構造物の維持管理方法

脆弱化したコンクリートを確実に除去し、鉄筋への防錆処理、断面補修を行う。

断面補修では、かぶり厚が不足する場合は断面を増厚する。再アルカリ化も実施する。

劣化環境の改善としては、排水などで常に湿潤状態の場合、排水の切り回しや止水対策(ひび割れ注入)を実施する。

表面からの浸透を防止するため、エポキシ樹脂系塗料による表面被覆工を提要する工夫で、構造物の長寿命化を図る。なお、コンクリート表面の下地処理を十分に施し、既設コンクリートと被覆材の付着性を高める必要がある。 以上

 

■自己評価

中性化の劣化機構は令和2年度にも出題されています。

過去門を勉強しているかどうかを見てる試験ですね。

維持管理方法はまずそれ自体への応急対応、次回以降問題が発生しないよう要因を取り除く対策をかくとよいようです。

水の浸透に伴う鉄筋腐食とあるので、水の浸透防止対策は必須かと思います。