令和3年3月に踏切道改良促進法が改正された社会的背景を述べよ。また、その改正の概要を説明せよ。

 

■回答

1. 踏切道改良促進法が改正された社会的背景

 大阪北部地震において、列車が駅間で停車し、長時間、踏切道の通行が遮断された。

 これにより、消防車や救急車等も通行止めとなり、迂回が必要となり、救急活動に大きな支障が生じた。

 さらに、これらの情報が関係者に情報共有されていなかったことから、対応に遅れが生じ、被害が拡大した。

2. 法改正の概要

(1)踏切道の機動的な指定制度創設

 これまでは、5年間の更新による踏切道の指定制度であり、鉄道事業者と道路管理者の協議が整ったものについて、指定する制度であった。

 これが法改正により、協議が整う前から、機動的に指定が可能となった。

(2)踏切道監視用カメラの整備費用補助化

 踏切道の状況を遠隔で把握することが可能なカメラの整備費用を補助の対象に追加した。

(3)優先すべき踏切道の指定制度導入 

 災害時等において、優先的に開放すべき踏切道を指定する制度が創設された。

 指定された踏切道については、解放までの手順を作成し、関係者との連絡体制の構築を図ることとなる。

 日頃から、関係者と災害時訓練を実施することで、迅速な解放が可能となる。         以上

 

■日本技術士会の評価

(選択Ⅱー2と併せて)A

 

■自己評価

選択Ⅲで出題されるかと想定していたので、一枚ものでも書けました。

なお、2(2)は法改正の概要ではなく、関連情報のような気もします。