【ネタバレ】ネ申 巻【ご注意】 | そうでもなくない?

そうでもなくない?

なにが あるか わからない だから あるがまま ありのまま でありたい
※映画レビュー移動しました。
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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(6) [ 渡航 ]
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文化祭の話。
いまどきの高校の文化祭って、こんなに本格的なの?インカムだとかPAだとかTKだとか照明だとか…うちの子の文化祭も楽しみ!( ^ω^)ワクワク


で、はっきり言いましょう。第6巻は神巻です!
もうね、冒頭から名シーンだらけでジェットコースター状態。最初から最後までクライマックスだぜ!ヽ(≧▽≦)ノ
だってね、第5巻読み終えた時にチラッとミニポスターとコンテンツを見たんですよ。そしたら最初のエピソード0のタイトルが「海老名姫菜のミュージカルは腐っている。」。あぁぁぁぁぁぁぁ…ワクワクが止まらない!!!
しかも「2」があるなんて。こんな魅力的なタイトルがあったら、いますぐ読みたくなっちまうじゃないか。この罪つくりが!
アッヒャッヒャ!ヽ(゚∀゚)ノアッヒャッヒャ!



とはいえ、エピソード1は重たい空気。前巻の出来事を引きずってる。そりゃそうか。あんなにしんどいことがあったんだもんね。
それが、エピソード2からあり得ない(いやむしろあり得る?)展開。そこから物語はどんどん加速。クライマックスまでギュンギュン走っていく。

正直、第1巻が素晴らしすぎて、それ以降ちょっと落ち着いてきちゃったかな?と感じてました(それでも面白すぎるのですが)。でもこの巻は、いうなればいままでの膝を曲げた状態から、ものすごいジャンプをしたわけですよ。びよーんって。すごい勢いで
о(ж>▽<)y ☆


今回の肝は雪ノ下の弱さと結衣の優しさ、そして八幡のスーパー漢っぷり。もうね、ひとつひとつのシーンに感涙ですよ。
それも、今回初めて明確な敵役みたいな人物が登場して、それが八幡たちの引き立て役をやってくれてるんです。彼女、役者です。僕もついつい感情移入して、結衣同様「ちょっと、苦手、なんだ」になってしまいました。そういう芝居をしてくれてます。それが、すごくスパイスとして効いています。さすが渡先生。


さえ、そうは言ってもなかなか伝わらないとは思いますので、名シーンをご紹介してまいりましょう。

まずはゆいゆいの健気さから。


●P87
「…嫌いに、ならないでね?」
「約束はしかねる」
「え、困る…」

ぐはぁっ!胸が!胸が締めつけられる!はぁ、はぁ…(;´Д`)ハァハァ
このシーンは、結衣が八幡に友人に対する嫌悪感を吐露するところ。好きな相手に自分の嫌な部分を見せたくない、でも好きだからこそ聞いて欲しい、頼りたい。と、葛藤する結衣がもうめちゃめちゃかわいくてもうキュンキュンです。それに対して、冷たくあしらう八幡。もう!バカバカバカ!愚か者!

●P95

「そっか、なら安心だ」
言って由比ヶ浜はにっと笑う。そうも無条件に信頼されると困る。


そして、話を聞いてくれた八幡に対して結衣が言ったひとことがこれ。
あー、何度も言うよ。本当にかわいい。凍って捻くれた八幡の心をも、あたたかく溶かしほぐしてしまうその笑顔。ぜったいいい嫁さんになるわ。間違いない!この巻最高の萌えポイントのひとつです。

●P96~101
「くっ、こいついち早く見たいだろうにそれを我慢して…。男の中の男!」

6ページに渡り八幡と材木座のじゃれあいシーン。ゆいゆいの萌えシーンのあといきなりこれかよ…ギャップ過ぎて面白さ倍増!w
しかも、ふたりのちょっといい話だぞ。目尻に涙が浮かんだのは、ゲラゲラ笑ったせいだけじゃないな。うん。

●P112・113
由比ヶ浜がボールペンで頭を掻きながら電卓を弾いては、ノートに何事か書いていく。なんか主婦みたいだぞお前。

呼ばれた由比ヶ浜が赤ペンを耳に挟んでやってくる。競馬場のおっさんか、お前は。

はいっ!またまた結衣の萌えポイントです。結衣的にポイント高い!のシーです。あの可愛さでこの仕草、ギャップ。渡先生は、結衣親衛隊のおれたちをどうするつもりなんでしょう。グッズとかあんの?破産しちゃうぞ♪(*´ω`*)
●P200
「っその…。今すぐは、難しいけれど。きっといつか、あなたを頼るわ。だから、ありがとう…」

文実の仕事が負担となり、体調を崩す雪乃。心配し、見舞いに来た結衣の気持ちに応えて、弱さとあたたかさを表す雪乃のセリフ。ついに、雪乃ははっきりと結衣との関係について明言する。氷の女王の凍えた心をも溶かす結衣。超名シーン。このあと、ふたりは部屋に消えてゆく。ふたりっきりでなにがあったのか…はこのあとわかる!お楽しみに♪


●P201
本当に世界を変えるってことを教えてやる。

追い込まれた雪乃の状況に八幡も憤る。よし、俺は俺のやり方で雪乃を助けてやる。結衣との約束を果たす!と決意を固めるシーン。八幡…お前漢だよ。・゚・(ノД`)・゚・。
このあと、八幡がとった行動とは?……は、続きをチェケラ!w


●P242
その完成された円陣を外から見るのは案外悪いものではなかった。

文化祭初日、星ミュ開幕直前で士気を高めるため円陣を組むクラスメイトたち。文実としての役割から、クラスに関わりを持たなかった八幡がそれを見て微笑むシーン。
他の人間がこのセリフを言うのなら、それは悔し紛れや妬みの気持ちが隠し切れないで伝わってしまうだろう。でも、数々の修羅場をくぐってきた八幡が言うのなら、それは心の底から出し物の成功を願う慈しみの心とわかる。ぼっちのスペシャリストは、すべての行動があたたかい。

●P255
「違うよ。待たないで、…こっちから行くの」

全国うん百万人の結衣萌えのみなさま、お待たせしました!当巻最っ~~~~~~~っ高の萌えシーンでございます!かーっ、結衣ちゃん本気モード!本当にあんたって人は。・゚・(ノД`)・゚・。
うちの息子の嫁に来て!
はちまーんっ。おいっ!はちまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあんっ!わかってるよな!まだ逃げるなら本気で殴る!!!( ゚Д゚)オラオラオラオラオラッ!

●P255
今度は間違えたくないのだ、たぶん、俺は。
だから、今はまだ、それに応えるべき言葉を持たない。


すっまーーーーーーっん!わかってたんだな。ごめん、ごめんなさい。
頑張ってくださいッ!

●P256
なんか、パンだった。一斤まるまるの食パン。

おい。あんなピンクでぼかしまくりの萌えシーンの次がこれかい。
渡先生よぉ、あんた最高だよ。オモローだよ。もう、最高に笑えるよ。
一斤まるまるのパンを引きちぎる結衣と、それにちょっと引きながらそれでもモッサモサのパンを美味いと食べきる八幡が最高だよ。最高のカップルだよ。

●P260
だから、もう一歩くらいは、踏み込んでも、いいのだろうか。

八幡くん、おじさんがこれ以上言うべきことはもうありません。頑張ってください。
(。-人-。)ナムー

●P316
そのわずかな隙間がおそらくは相模の通った足跡だ。それを一つ一つ辿るたび、近づいている実感が宿る。

これは、渡先生の表現に感服。相模が今まで取ってきた自己肯定の方法を、「わずかな隙間」という言葉で端的に表している。勉強になります。

●P328
「…どうして、そんなやり方しかできないんだ」

八幡のとった行動に反応した葉山の言葉。葉山の八幡に対する思いゆえの、絞りだすようなセリフ。葉山は、おそらく八幡のことを高く評価している。だからこそ、自分とは相容れないやり方をとる八幡の気持ちが理解できない。残念でならない。世界中のほとんどの人間が気づかない、八幡と葉山の関係をあらわにした名シーン。
海老名さんはそれを知っている。別の意味でw

●P332
でも、きっと忘れない。

自分の役目を果たして(それは高い代償を払うことになったけれど)、時間稼ぎをする雪乃たちの舞台を観に来た八幡。それぞれの役目を全力でまっとうする彼女らの姿を見て、自分のとった行動が無駄にならなかったと知り胸をなでおろす。
同時に、仲間との絆(本物の)を感じた八幡は、少しずつ変わっていく自分(あるいは世界)を思い、ひとり感慨にふける。

●P343
「比企谷。誰かを助けることは、君自身が傷ついていい理由にはならないよ」
「…たとえ、君が痛みに慣れているのだとしてもだ。君が傷つくのを見て、痛ましく思う人間もいることにそろそろ気づくべきだ、君は」


顛末を知り、厳しくそしてどこまでもあたたかく
八幡に声をかける平塚先生。この先生がいなかったら、八幡の心は永遠に天の岩戸の向こうで引きこもっていたに違いない。この物語が作者の体験談から紡ぎだされているのだとしたら、平塚先生のモデルもいるのだろう。日本の教育現場も、まだまだ捨てたもんじゃない。


とまあ、読み応え十分いや十億分の第6巻。読まなきゃ Sing a Song!!
いままで読んでなかったひとは、すぐに書店へ行って!面倒だったらアマゾンでポチって!


で、感想の〆。
やはり比企谷八幡は本当に救われない。
でも、彼を理解する人間は世の中にいて、友として彼のことを認め思いやっている。
だから、やはり比企谷八幡は本当は幸せだったりする。
総武高校があって、平塚先生がいて、雪乃や結衣やたくさんの仲間と出会えて本当に良かった。
僕は断固思う。
ハッピーエンドでありますように。