【悪夢の世界へようこそ】独白するユニバーサル横メルカトル【平山夢明】 | そうでもなくない?

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独白するユニバーサル横メルカトル [ 平山夢明 ]
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タイトルの「独白するユニバーサル横メルカトル」は2006年度、第59回日本推理作家協会賞短編部門受賞作。ほか、全8編を収めた短篇集。
先日読んだ「DINER」の狂気の原初がここにあると思い読んでみました。
もともと、気になった作者の作品は続けて読むようにしているのです。

結果は最高でした。いや、サイコでしたw 平山夢明はある種の天才的芸術家だと感じました。
その世界は、悪夢以外の何物でもありません。よくまあ、これだけの狂った世界を想像できるなと思いました。
いや、ひょっとしたらけっこう想像は出来るかもしれません。悪夢の類はだれでも見るし、思いつくかもしれません。リアルな世界のほうが酷いなんてこともありますし。
ただし、形にする、創造することは容易ではありません。平山夢明は、その壁をたやすく(苦しんだ時期もあったにせよ)飛び越えてしまえるのです。

例えば、タイトルの「独白するユニバーサル横メルカトル」は、「地図が意志を持ったら面白いんじゃね?」という思いつきが始まりだと思います。そこからこの物語を紡ぐ能力が、誰にも真似出来ないのです。

僕は結構こういうの(ホラー)が好きで、最近こそ控えていますが映画や小説を昔は観たり読んだりしました。その経験の中でも、彼の物語は異彩を放ってます。それは、世界観や表現もさることながら、読んでる間は終始緊張を強いられるということ。それは今までにない感覚でした。
本を手にしているその間、肩に力が入り口の中はカラカラになり、胃がキリキリと痛みます。でも、ページをめくる手は止められない。しまいには、帰宅時、10分以上余計にかかる各駅停車に乗り、読書時間を確保するまでとなりました。
平山夢明は中毒性があるようです。これから読まれる方はご注意!w

この感覚、思い出しました。お化け屋敷ですね。しかも徒歩で回るやつ。
あの暗闇に何か潜んでるぞ。あそこでなにか動いた。あの明かりは怪しいから近づいちゃいけない。あそこに転がってる人形は絶対に罠で、注意を払うと反対側から襲ってくるぞ!
ずーっとこんな緊張感があるんですよねお化け屋敷は。この物語はも同様でした。
辛いです。でもやめられないんです。麻薬です( ̄ー ̄)ニヤリ

ほんとに何か服用してるんじゃないか?アル中や覚醒剤服用時に見る幻覚って、こういうものじゃないかなと思います。実体験はないけどw
例えて言うなら、ウィリアム・バロウズやデビット・クローネンバーグの世界です。ふたりを足すと裸のランチですね。その凄まじき耽美な映像を思い出します。
ぜひ、クローネンバーグに映像化して欲しいですね。特に「Ωの聖餐」と「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」。あぁ、言葉にするだけで鳥肌が立ちます。想像するだけで…だめだ、凡人には想像できないw

「オペラントの肖像」や「卵男」はどうだろう。黒沢清なんて良いかもしれませんね。シュールな雰囲気を出してくれそう。外国人ならデヴィッド・リンチとか。大物だったら、エイリアンを撮ったリドリー・スコットとか。

「すまじき熱帯」はどうか。サム・ライミなんかいいかも。

そうそう、「すまじき熱帯」読み始めてすぐ「筒井康隆っぽい!」って感じました。あとがき読んだら、やっぱりオマージュ作品でしたね。筒井康隆はすぐにオマージュされるね。すごい作家だね。

とにかく、平山夢明は眠らないでも悪夢を見たい人(
るいうちに見る悪)にオススメの作家です。
興味ある人は心して読め!




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