クイズ主義の社会体制?!『国民クイズ』杉元伶一(原作)・加藤伸吉(作画) | レア漫画、でもイイ漫画の紹介ブログ

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大事な古きマンガ達への恩返しです。メジャー漫画以外にも様々な理由でマイナーなままであったり絶版になっても実は面白い良作をおすすめしたいです。他に映画、ドラマ、小説等も好き。
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一部で熱狂的なファンを持っていた『国民クイズ』

私も93年の連載当時、モーニングで楽しみにしていた漫画の1-2位と言える漫画です。

 

なのに、一時期は絶版にもなっていたようです。結果、太田出版から復刻されはしましたが、映像化などされないのはなぜなのだろう。

ちょっとマニアックな人にしか受けていなかったのかあな。

 

さて、あらすじは世界の覇者となった日本が民主主義を捨て『クイズで物事の絶対的な決定権を持てる』という国民クイズ体制という全体主義となった架空のディストピアの物語。これが、現代社会へのアイロニー(皮肉)が強烈に聞いていて、非常に楽しい。

また、ここでは書きませんが結末も相当に皮肉。

 

基本、クイズ番組の天才司会者のK井K一を主人公に話が進むが、この役柄が絶妙。自らは裏では囚人であり、その代償にクイズ番組の司会者を行っているといる、いわば支配者側と支配される側の両方の立場に立つ。K井K一を中心に、物語はクイズ体制崩壊を狙る革命への進んでいくのですが、それが成し遂げられるのか、またどういう結末を見せるのかは、ネタバレになるので割愛しますが、私はとても結末には満足しています。

 

全体主義の危険性はさることながら、そもそもの国民主権における我々自身の責任感を痛烈に皮肉っている内容。

爽快で痛快。原作と絵柄の見事なマッチ感も素晴らしいです。

 

これがそもそもの前提の、クイズ体制の根幹部分。

 

クイズで正解すれば、隣人も殺せます!だってクイズが絶対の国民クイズ主義だから!

 

 

「みんしゅしゅぎって大嫌いー♪」って是非映像化の際にメロディを付けてほしいです。

 

K井K一の天才ぶり、狂気ぶり。

 

米国など諸外国も巻き込み混乱していく。そうして日本のクイズ体制の転覆へと物語は進んでいくのですが、結末は良い意味で裏切られます。

 

 

本作品は、テーマ、その設定、世界感など非常にユニークで面白い作品です

映画化、ドラマ化、アニメ化なども個人的には期待しますが、なぜそうならないのだろう?

また、演劇など舞台化にも合いそうなストーリです。

どこかで、一度映像化、舞台化されていたりするのかな?軽いネット検索では不明でした。

 

うーん、自分がそういう関係者なら、一度は企画化を動いてみたいなあ。

現実の俳優さんでキャスティングを考えてみても面白そうな漫画です。

 

業界の方、映像化いかがでしょうか?私は必ず見ます、金払いますよ!

 

 

 

 

レア度:☆☆☆

おすすめ度:★★★