名だたる少女漫画家達の手本となった『龍神沼』石ノ森章太郎 | レア漫画、でもイイ漫画の紹介ブログ

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あの竹宮恵子さんはじめ名だたる少女漫画家が、その名前をあげるという石ノ森章太郎先生の『龍神沼』

改めて読むと、その叙情的な内容もさることながら、映画的なカット構成など素晴らしいことに気づかされる作品。

単に漫画史的な重要作品としてではなく楽しめる。

 

 

あらすじは、ある村に伝わる龍神祭りに来た主人公の研一が、森の中で龍の化身?の美しい少女と出会い、神秘的な体験をする。そこに村の背後に潜む利権も絡み展開していくファンタジー。詳しくは以下の公式を見てください。

ちなみに石ノ森章太郎先生自身が自画自賛している記事が載っており、なかなか面白いです!

また、この龍神沼の4年前竜神沼の少女というほぼ同じような話を書いているが、それは8ページと短く、先生本人も失敗だったと語っている。漫画家を志す方などは、両方を見比べると勉強になるのではないでしょうか?

 

素晴らしい漫画を読むと、映画を見た気分になりますが、この漫画もそうです。

 

この導入部から映画的で大好きです。

 

まさに見開きの大ゴマが活きているページ。

 

ここなど、ほとんど音を表現した描き文字など無いにも関わらず、祭りの太鼓やお囃子が聞こえてくる。

 

 

最後に近いシーン。是非、原画を見てみたいです。

印刷製本されたものと違い、原画はほんと美しいですよ。みなさんお好きな作家さんの原画展、ぜひ一度行ってみてください。

 

ちなみに、私は所有しているのは講談社漫画文庫として1976年に出版された短編集なのですが、別に1967年発行の朝日ソノラマ版は表紙が龍神沼ではなく竜神沼となっているらしいです。

(龍神沼自身の初出は1961年)

 

漫画文庫版

 

1967年朝日ソノラマ版

表紙の「龍」が「竜」になっています。中身が「龍」のようです。間違えたのですかね?でも表紙ですよ。昔はアバウトだったのかなあ。

 

この作品、石ノ森章太郎先生の名著であり多くの漫画家を生み出していったと過言ではない、「マンガ家入門」でもサンプルとして多数引用されています。

 

レア度:☆☆☆

おすすめ度:★★★

 

↓このデジタル大全には「龍神沼」の習作的な「竜神沼の少女」が収録されているらしいです。他にも収録されているかもしれませんが、情報未確認です。