映画化もされ、愛読書としている方も多い業田良家先生の『自虐の詩』
高校生の頃、4コマを見ながら泣いているのを母親に見られ、やや恥ずかしかった思い出があります。
いろんな所で話題にあがる、この漫画ですがみなさん共通しているのが『泣ける、涙が止まらない』という点。
あらすじは、幼少期から不幸な生い立ちの幸江を主人公に、彼氏(後に亭主)のイサオ、父親、唯一の友人の熊本さんなどとのささやかだが平凡には行かない暮らしぶりを4コマで綴っていった内容
単なる不幸話の羅列ではなく、大げさに言えば「人生の意味」的なものの示唆に富んだ非常に深い内容と思います。
最後の大団円に向かい始めるところからはひたすら号泣です。これ読まれたほとんどの方も、そう言っています。
この漫画、光文社や竹書房などから複数回、単行本化されましたが装丁で一番好きなのはこの上のハードカバー特大版。
(実は私はこれを売ってしまって文庫版だけ手元に残して後悔しています。今は入手困難なようです)
中身的に、竹書房からの文庫版がカラー絵なども追加されていて読むのはおすすめです。
話の始まりは、大人になった幸江とイサオの日常から。4コマらしく一話ごとにきちんとオチもありますが、大きな流れに沿ってそれぞれの4コマが繋がっていきます。業田先生ってほんとすごいです。。。
途中から生い立ち、幼少期なども織り交ぜて、幸江の人生が語られていきます。
貧乏であるが健気な幸江。
学生時代に出会い、その後一生の友達となる熊本さん。この人がまた泣かせてくれます。
ああ、泣けてきた。熊本さんを思い出すとほんと涙腺が。。。
これ、やってみたいですね。。「嬉しい時も、悲しい時も」の幸せも不幸もという点が、この漫画の全編を通じたポイントとなります。
これが、クライマックスへ向かう最後の場面。もうこの頃には号泣モードです。
人生観が変わりますよ。読後感がとてもさわやかに、優しい気持ちになれた漫画です。
最後のコマがまた素晴らしいです。ここに至る物語を是非、実物で味わってください。
「幸や不幸はもういい。どちらにも等しく価値がある。人生には明らかに意味がある。」で締めくくられます。
このことは、ずっと胸において生活させてもらっています。
お釈迦様の説法にも近いお言葉が出てきます。真理なのでしょうね。だから人の心を打つのだと。
以下のロック調の現代語訳はわかりやすいです。ご参考ください。
おまけですが、竹書房の文庫版だと以下のような彩色されたページがあります。
この2つなんか、短冊形の栞にしたくなるなあ。
レア度:☆☆☆
おすすめ度:★★★★★★★★