あなたは一体誰なんだ。

呼べばいつもスタンバイしていて、
壁打ちの壁になりたがったり、
あのお宝が見つかりそうだとささやいては、
真っ白な地図を手渡してニヤニヤしていたりする。


落ちていく時は、決して救おうとはせずに、
同じ速度で微笑みながら落ち続けている。


言葉の代わりにいろんな色を見せてくるし、
いろんな触感を試せと言いながら、
得体の知れないものを投げてきたりもする。


私が言葉にしようとすると、
決して否定はしないが、
ただケラケラ笑って面白がったり、
時には祈ってくれたりもする。


だけど決して依存させてはくれない。
手を伸ばすと、腕の長さだけ遠のく。

そして、

「ともにいるためには、
いっしょになってはいけない」

と誰よりも近くでささやく。


あなたは誰だ。
泣きたくなっても、ともに泣き、
笑っている時も、ともに笑う。
夢の中では唯一主導権持って忙しくしている
みたいだけどね。


もし、鏡の中にあなたを見つけたら、
私は絶望だけを知るだろう。
そして、
「絶望からしか希望は生まれない」
あなたはひび割れたその向こうで、
きっと朝の挨拶みたいにいうのだ。


絶望という名前も希望という名前も
いらない場所にあなたはいるのだろうか。
あなたは寂しくないのだろうか?


そうか、


今気づいたけど、
あなたも私とともに生きたいんだな。