期待されると困るなあ。
だって、期待通りになんかいつも出来っこないし。
あなたががっかりする顔はみたくないんだ。

  どうして?

あなたの望みを叶えたいから。

  どうして?

いや、だから、
あなたががっかりすると僕ががっかりするんだ。

  どうして?

あ、えっと、
あなたの喜びは僕の喜びだから。

  いつも?

いや、うーん、いつもじゃないな。
喜びっていうより、ほっとするんだ。

  どうして?

ああ、だって、期待に応えないと
あなたの僕を見る目が
変わってしまうだろう?

  どんな風に?

出来ない奴って思うでしょ?
しょうもないやつって思うでしょ?

  出来ないとしょうもないの?

だって、もうこっちを向いてくれないよね。
もう繋がってもらえないよね。


  はじめから期待なんかしてないよ?
  いつも成功するなんて期待してないよ?
  期待を寄せるように期待していたのは、
  あなたなんじゃない?


え?え?え?
あー、そうなんだ。
あー、僕の思い違いなのかあ。
期待されてないんだ、僕って。
なんだか恥ずかしいけど、がっかりしたな。
でも、やればできるんだよ、僕だって。
失敗することもあるけど、
馬鹿にしないで欲しいな。


   馬鹿にしてないよ。
   心から応援してるんだよ。
   あなたの笑顔が大好きで、
   いつも見守っているんだよ。

そ、そうなんだ⁈ありがとう。

   あなたの生き生きしている様子をみるのが
   私の喜びなんだよ。
   だけどこれは、私のもので、
   あなたのものではないんだよ。


あーそうなんだ。。。


えーっと、えーっと、、、
それじゃあ、僕のは何なんだろう?