歌を習い始めてから、
自分の調子が
いろいろ細かくわかるようになった。


調子がいい時は、
背中まで使える。

ぱかっと開く感じがする。


背中、あばら、が開いて、
その筒が首の後ろから頭まで
繋がっているように感じる。


まだまだ可動域が狭いだろうから
私なりに、ではあるけど。


少し調子が悪くなると、
まず背中が開かない。


次にひどくなると、
胸が閉まってしまう。


無理矢理歌おうとこじ開けても、
ダメ。


ただただ苦痛。


リラックスしてない、とは、
こういうことか、
と実感する。


更にひどい時は、
歌おうと思えない。


身体がペターって閉じているから。


最低ラインまで来ると、
歌を聞こうとも思わない。


どんな曲を鳴らしても、どこにも響かない。


感覚全体が閉じてしまい、
空気を吸われた布団圧縮袋のよう。


外からの出入りすら、
省エネを守るために、
出来ない。


つまり、呼吸が浅い。


口から吸って、首あたりで止まる。


なんかの拍子になんかの曲を聴いて、
たまたま感覚が開くこともあるけど、


そんな美談を欲しているわけでもない。


最近はこういう時は無理に歌わない、
つまり、開こうとしないで休む。


身体一つ、そこにある、


と感じられるだけで
完結している、という感覚。


素晴らしいとか、完璧だ、
とかいうジャッジ言葉も浮かばない。



また、そのうち開くから。