例えば、
「命は美しい」という言葉で定義したら、
不規則なざらつきと、
見たことのない色合いと、
形を成しきれていない存在は、
命とはされない、かも知れない。
ノイズのような不快な呼吸音やら、
突飛過ぎる動きは、
その試験薬では、検出できないから。
そこに確かに生きている者どもは
議題にすらあがらない。
たとえそれが、
私の心の一部でも、身体の一部でも。
見えないそれらに、
絶え間なく揺り動かされて、
絶え間なく守られ、
いつも一番近くにいるとしても。
堪え難い程の異臭や激痛を持つに至った時に
病気という名を一方的に与え、
ジャッジして、糾弾するまでは。