変化にはいろいろある。


以前のように動けなくなるってのも
その一つ。


きっかけは、


病気だったり
老化だったり、
運転免許証の返納だったり、
支援者と縁が切れたり、
産後の肥立ちが悪かったり、
小さな子供や介護者が増えたり。


不便になったり、制限を受ける変化、
と言える。
歳を取ると、そういうことが増える。


だけど
そうして初めて見えてくるものもある。


初めて触れ合う世界ができるから。


自分と世界の接触する切り口が変わるから。


以前私は半年ほど車椅子の生活をしたことがある。


全ての家事も出来なかったので、
いろんな人の手を借りた。


時間をやりくりしてもらい、
分担してもらい、
私は手配師として、ずっと生活した。


前とは全く違う世界の住人になったみたいだった。


同じ病院に通う人と知り合ったり、
車椅子の低い目線の世界を知ったり、
普段話さない人と話し込んだり、
動かないで出来ることをひたすら考えたり、
ずっと同じ窓から外を眺めていたり、
何をするにも誰かに頼まないと全くできない 
とはどんな気持ちか、も味わった。
こんな時に災害にあったら、どうやって逃げようか
と、考える自分もいた。


自分の知らなかった自分の面、
そんな自分と関わってくれる、
周りの人達の知らなかった一面。


ジャバラのお経を裏から初めて読んだかのような、
そんな不思議な感覚。


ただただそういうご縁として、
幻想じゃなく、リアルな世界として体験した。


人生は変化に次ぐ変化。


劇的なことなんかなくても、
本当は、気がついてない、
薄皮一枚隣にひしめき合う、
たくさんのリアルな世界の中に
生きているんじゃないかなあ、と時々思う。