おいおい涙があふれても、
言葉の理由は分からずじまい。
だけど、身体がビリビリして、
何かが経由していくのだけは、確か。
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何百年も前の誰かの話を聞いたのだ。
いや、正確には、
その話を命がけで繋ごうとした
誰かの話を聞いたのだ。
そんなある人が、
枯れ落ち葉をふと拾って、
純真無垢に愛でている姿を見た途端に、
その姿と、
その手のひらにあった色合いが
絵の苦手な私が
幼い頃に唯一喜んで描いた
オレンジ色の枯れ落ち葉の記憶と重なって、
何かが突然わしづかみになって、
なんだかワケがわからなくなって、
ただ泣いたのだ。
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血が流れているのが、
いつもより際立って感じられて、
次から次からこみ上げる。
一体、
ここはどこなんだろう。
というか、
どこにかえれそうで、
泣いているんだろうか。