NHKの番組、バタフライエフェクトの、ドイツの元首相メルケルさんの特集を観て、この本を図書館から借りて読みました。
「メルケル 世界一の宰相」カティ・マートン著数少ない女性の首相の一人の姿と、歴史の裏側も書かれた内容でした。
 
ベルリンの壁の内側で若い頃を過ごし、物理学者だったメルケルさんが35歳で政界に入り、のちにドイツの首相を16年務める。
ニュースで見ていた印象と本を読んでからの印象がガラッと変りました。政治家特有の野心とは全くかけ離れた、過去のドイツの負の遺産、ホロコーストを背負って向き合っていたドイツ人と言う印象。政治家の派手な演説とか、派手な洋服とか、そういったイメージもなく、地味にコツコツと時には、したたかに、周囲に影響される事もなく。
 
当時のアメリカの大統領ブッシュ・オバマとの友好的な関係や、G7やG20での様子、プーチンの暴走を止めていたメルケルさん。そんなメルケルさんが目指すところは、ルールに基づいた国際秩序と欧州連合で民主主義を共有したヨーロッパ共同体。

人柄は、賃貸マンションで暮らし、普通にスーパーへ買い物に行き、一般市民と同じ感覚で暮らす。プライベートは一切明かさない。見せない。感情に流されず、常に冷静。余計な事は言わないが、確信をついた事をズバッと言う。ドイツをここまで導いた方だと感じました。
 
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