この本、泣きながら読みました。
映画「戦場のピアニスト」を見たあとに、図書館でこの本を見つけて、昨日の朝から夢中で読みました。その間、何度も号泣。
 
映画の「戦場のピアニスト」は、ポーランドのユダヤ人ピアニスト、シュピルマンが主人公。
戦場を生き抜こうとする実話で、短いですが、途中でドイツ人の将校ホーゼンフェルトに助けられるシーンがあります。
本は、そのピアニストを助けたドイツ国防軍将校ホーゼンフェルトの生涯がメインに書かれた本でした。
image
主人公のホーゼンフェルトは教師の子として生まれ、自分も教師に。
のちに第二次世界大戦になり軍に入ります。
戦地に行きながらも、ホーゼンフェルトは常に妻と手紙でやりとりをし、自身が書いた日記にも、ポーランドの戦場の様子、それに対する自分の気持ちなどを手紙や日記に書き綴っています。
それがこの本に具体的に、戦争の記録とともに克明に記されていました。
 
 
ホーゼンフェルト自身は、ドイツ軍の将校でありながら、ヒトラーの考えには反対しており、助けられる人は助けたいと、こっそりとポーランド人やユダヤ人たちを助けた将校でした。
 
 

1937年、第二次世界大戦が始まる2年前にはすでに、ヒトラーの恐ろしいイデオロギーが浸透していて、度を超した傲慢な演説は下品で、戦争への予感を国民は感じながらも、回りは物が言えない状態に。

そしてついに、たった一人の戦闘的な政治家ヒトラーが、ドイツ人を暴力的な軍隊に変えてしまう。

その当時、少なくても数百万人の大勢のドイツ人は、ヒトラーとは違う考えを持っていた事、ヒトラーの考えには反対だった事。親衛隊の暴力や迫害虐殺は、ドイツ人として恥ずべき行為、倫理観が欠落していると思っていて、この主人公ホーゼンフェルトもそれに落胆苦悩しながら、任務についていた心情が妻への手紙にも記されていました。

 

 

実際、ホーゼンフェルトは多くの人を助け、その中の一人が、戦場のピアニストのシュピルマンでした。

 

どのようにして第二次世界大戦が始まり、途中、1942年1月のヴァンゼー会議で決まったユダヤ人問題の最終解決計画は、すでにその以前から計画は始まっていたとも記されており、1943年、徐々にヒトラーは側近から信頼を失い、ヒトラー暗殺計画が何度も計画されるも失敗し、ドイツ軍が衰退している事が記されており、1944年には負ける事が薄々と気がついているドイツ軍は1945年に敗戦し終戦に。その後捕虜となり、ソ連の収容所へ送られ生活する事も細かく綴られていました。

 

この本によって、今まで映画で見て、本で読んで知った第二次世界大戦とは違う面も知れました。

 

 

実際のピアニストシュピルマンとドイツ将校ホーゼンフェルト
image
 

「戦場のピアニスト」に出ていた時のホーゼンフェルト将校を演じていた人、本人の若い頃に似ていました。

 

そして、ホーゼンフェルト将校の机がアップになるシーンに何度も家族の写真がアップで出ています。

この妻と子供たちは、実際のホーゼンフェルトの妻と子供たちだと思います。たぶん。

 

 

家族の写真。

幸せそうです。

戦地から休暇をもらい帰省していた頃の写真でしょうか。

 

これは第二次世界大戦の終わる前頃でしょうか。
(長男も軍に入隊していたので、この家族写真は第二次世界大戦前かもしれません。)

二人の若い頃の写真も載っていました。
 


二人の手紙のやりとりがロマンチックでした。
会えないと何年経っても愛は続くのですね。照れ
電話も出来ない。手紙もすぐは届かない。
手紙に出した順番が分かるように番号を振って、変わらない愛を、お互い手紙で交換しています。
 
戦争により、大切なものを失いながらも、強く生きる人たちの苦しみや愛が実録として、綴られた本でした。私にとって、ここ近年読んだ本の中で一番の!読書時間になりました。

2019年に出版された本で、子供たちの証言も元になって書かれた本なので、これは、はるか昔の出来事ではないんだ。。。笑い泣き
この本、図書館から借りたけど、改めて本屋で買おうと思います。