読んでいると言ってはおこがましいので、目を通しているだけです。
宮沢賢治に感化を受け、故郷に帰った松田甚次郎の一代記ともいえるもので、出版当時よく売れた本だそうです。
内容は昭和初期の東北の挑戦的な農業記録になっています。
先駆けたような、有機農法であったり山岳立体農業などの新しい試みがあります。
賢治の教えをうけた「①小作人たれ②農民劇をやれ」の説諭を実践した記録でもあります。
ただし、時代情況はまぬがれずに、「全人類に実践する正しい皇国日本たらしめなければなりません」や満蒙開拓の言葉が出てきます。
これをkindle版で読んでいます。
漢字は新字体、平仮名は現代仮名遣いに改めてありますが、当時の文体であるのか、妙に美文調なのが気になります。
それでも、それらを捨象しても、このアイデアマンである開拓者の像はのこります。
34歳でなくなるという早逝なのですが、宮沢賢治を世に知らしめたひとでもあります。