-2023年3月20日(月)-

 

 昨日は、日帰りでびわ湖ホールに沼尻先生&京響のマーラー交響曲第6番「悲劇的」を聴きに行きました。

 

 すごい曲で、圧倒されて、もう言葉にならなくて、素晴らしかったことは会場でともに音楽の旅をした皆が体験したことですし、終演後、たくさんのブラボーが飛び、私はたくさんたくさん拍手をしましたので、もう、ここに改めて書かなくてもよいかな…と思うくらいなのですが、記録として少しだけ書いておきます。

 

 マーラーを聴くといつもそうかもしれませんが、この6番「悲劇的」も、様々な場面と感情が湧き上がってきました。

 美しさにうっとりしたり、優しさに包まれて幸せな気持ちになったり、高揚した気持ちになったり、不安や疑念に苛まれているようだったり、激しい嵐に翻弄されるようだったり、波瀾万丈の人生の船旅を共に過ごしたような感覚になりました。

 そして、最後は大きな不条理、悲劇が襲ってきて、突然、事切れるように終わるので、茫然としてしまうのですが、同時に、すごく大きな優しさ、慰めに包まれたような気持ちになりました。

 

 マーラーも、この「悲劇的」も本当にすごいと思います。この曲を書いた時点ではマーラー自身はまだ体験していなかったであろう様々をこんなに豊かに深く心に届くように表現出来るのですから。

 

 マーラーの人生に比べたら、私のそれはほとんど目には見えない程のさざ波ですけれども、それでも、日々いろいろある中で、マーラーから慰め、励まされたような気持ちになりました。「悲劇的」なのに、聴くと、慰めを感じて、幸せに満たされる感覚になるのですから本当に不思議です。

 

 演奏が終わったとき、沼尻先生の手が完全に下りるまで静寂があり、しっかりと自分の中に受け止める時間があり、そのことも本当に良かったです。

 

 当日券購入の方々のために開演が少々遅れ、その場つなぎのためということで、思いがけず、沼尻先生のプレトークを聴けたことも、とっても嬉しいことでした。スケルツォの場所のこと、ハンマーの回数のこと、赤坂の某ホールでのハンマーのこと。音楽の旅を最後の余韻まで共有して欲しいこと。

 

 本当に素晴らしい曲で、聴くことが出来て、本当に本当に良かったです。演奏会開催のためにかかわってくださった皆さまに感謝いっぱいです。

 

 そして、2020年夏のびわ湖ホールから始まった私の音楽鑑賞旅行を思い出していました。本当にたくさんびわ湖ホールに行きました。びわ湖ホールではいつも楽しく幸せな音楽を体験することが出来ました。

 

 ホールを出て、大津駅に歩いて向かう途中、琵琶湖湖畔を歩きながら、びわ湖ホールを振り返り、「びわ湖ホール、ありがとう!」「沼尻先生、ありがとう!」と何度も何度も心の中で言いました。

 

 次のびわ湖ホールは、8月のマーラーです。琵琶湖もびわ湖ホールも、またその時に!

 

 

↓マーラー鑑賞歴☆(敬称略)

2020年9月25日(金) 交響曲「大地の歌」沼尻竜典/大阪フィル/フェスティバル
2020年11月13日(金) 交響曲第10番嬰ヘ長調より第1楽章“アダージョ” 高関健/シティフィル/オペラシティ
2021年5月22日(土) 交響曲4番 ト長調 沼尻竜典/神奈川フィル/神奈川県民ホール
2021年9月18日(土) 交響曲第10番~アダージョ 沼尻竜典/京響/びわ湖
2021年9月18日(土) 交響曲第1番ニ長調「巨人」沼尻竜典/京響/びわ湖
2021年9月25日(土) 交響曲第1番ニ長調「巨人」沼尻竜典/N響/東京芸劇
2021年9月26日(日) 交響曲第1番ニ長調「巨人」沼尻竜典/N響/東京芸劇
2022年3月26日(土) 交響曲第9番ニ長調 高関健/シティフィル/オペラシティ
2022年8月12日(金) 交響曲第7番ホ短調「夜の歌」高関健/シティフィル/サントリー
2022年10月16日(日)交響曲第9番ニ長調 ブロムシュテット/N響/NHKホール
2023年3月19日(日)交響曲第6番イ短調「悲劇的」/沼尻竜典/京響/びわ湖

 

↓びわ湖ホールTwitterより☆