最後の本邦初訳長編SF!だって~
「ヴァルカンの鉄鎚」
フィリップ・K・ディック著
内容(「BOOK」データベースより)
20年以上続いた核戦争が終結したのち、人類は
世界連邦政府を樹立し、重要事項の決定をコンピュータ“
ヴァルカン3号”に委ねた。
極秘とされるその設置場所を知るのは統轄弁務官ディル
ただ一人。だがこうした体制に反対するフィールズ大師は、
“癒しの道”教団を率いて政府組織に叛旗を翻した。
ディルは早々に大師の一人娘を管理下に置くが。
ディック最後の本邦初訳長編SF。
読まずに死ねるか!
あの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の作者、
フィリップ・K・ディックだ。
これまで翻訳されていなかった作品。
生活の為、書き散らしていた時の作品というけれど、
まさに彼の世界観そのものがあふれていると思う。
コンピューターが管理する世界に疑問を持つ人々。
自分の地位を守るため、システムを守ろうとする権力者。
両極端ではなく、バランスを持った考えで行動を始める
バリスは、まさにブレードランナー、デッカードを彷彿と
させるではないか。
また登場するヒロインはレイチェル(笑)役者がそろいすぎ。
最後の戦いは、ちょっと持って行き方が荒っぽい
感じがするが、題名にふさわしい。
解説者が、当時の表紙絵を紹介していたがこれが
ラスボス戦はホント、こんな感じ。うまいわ~
構築されている世界は、伊藤計劃も思い出させる。
こちらももう新作は出ないから、トリビュートでも
読んでみようかしらん?