内容(「BOOK」データベースより)
古今東西、書物にまつわる小説は枚挙に遑がないが、
近年は、古書を題材にした作品が注目されている。
推理文壇の名匠たちが古書への深い知識と卓抜した
技巧を凝らして綴った粒揃いの傑作を収録。
好評を博した推理アンソロジー第二集!口絵・江戸川乱歩。
Ⅰを読んで面白かったので、Ⅱも、というわけだが
全然こっちの方が面白い。
どれも今の時代にかけ離れることなく、楽しめる作品ばかり。
Ⅰのほうはちょっと昔過ぎて、今見るとあまり驚けないものも。
こちら、Ⅱでは期待して読んだ皆川博子氏の「猫舌男爵」、
冗談小説・・・っていうけど残念ながら、ワタシにはどこが
面白いのかどうしてもわからなかったのだが
(京極氏の「どすこい」ぐらいにつまらなかった)
それぐらいで、あとはほとんどGOOD!有名どころがずらり。
とりわけ、逢坂剛の「五本松の当惑」は、シリーズ物らしく
とっても良くできている。
これを読んじゃうと、シリーズの最初の方がネタばれに
なっちゃうのだが、こんな作品があるのがわかったので
今回は良しとする
しかし、一本松でも二本松でもなく五本松って
一体どんだけ松なのさ(笑)
もうひとつは、山田風太郎の作品があるけど、本編よりも、
編者がオマケにつけた古書エッセイ「ある古本屋」が
ムカシよくいた出入りの御用聞きさんや屑屋のおいさん
なんかを思い出させて、懐かしく切なく静かに感動。
いろんな作家のいろんな思いが詰まったこのアンソロジーは
大満足でござった