日本の第二次大戦前後のお話。
「みいら採り猟奇譚」 河野多恵子著
内容(「BOOK」データベースより)
結婚四年目、欲望の極わみに〈快楽死〉を想う
夫正隆の願望は、彼の感化のもとに成長した
比奈子の一途な歓びと相俟って叶えられる…。
凄艶な純愛の世界。
なんで、読もうと思ったのか思い出せないな~(笑)
いわゆる、SMの世界の話なんだけど、
多分、聞いて思うより全然すごくないと思う。
どちらかと言えば、この時代の新婚さんの
出会いから、戦中の生活、夫婦の会話とか
そんな何気ない毎日が普通につづられている。
ただ、この年の離れた夫婦は(ヨメ18歳?オット38歳)は
そうした趣味を持っていて、それだけの違いである。
それもそんなに、猟奇的というようなモノでも・・・

むしろ、現代のワタシ達の趣味趣向の方が
タマゲタ感があるかも~
初夜の場面なんて、あんまりにも無邪気で
こっちが気恥ずかしくなってしまうぐらい。
同時代として、倉橋由美子なんかが近いかと
思っていたけど、倉橋女史の方がエキセントリックな
気がする。
読んでいてムカシムカシのヒト達の暮らしが、とても
心地よく、清々しく思えてそちらの方に興味が向いて
面白かったし。(結婚のしきたりや様式、家の普請など
など)
著者と吉行淳之介の対談が付録にあり、それを
見ると、この世界を描くためのスキルみたいな
ものが解説されていて、やっとこの小説の特殊性
に気が付くくらい。
なので、ちょっと題名、大げさすぎるかも(笑)
・・・みいら一回も出てこないし。(当然、比喩なんですけどね)
なんで読もうと思ったのか、いまだに思い出せない。