世の中には、まだまだ面白い本がたくさんあるのだ。
「われはロボット」
気になっていたけど、読む機会がなかった1冊。
何と言ってもこの「ロボット3原則」。
ロボット関係のSFでもコミックでも、必ずと言って
いいほど引用されるので、本当にあるのかと勘違い
しちゃったほど(笑)
1.ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、
その危機を看過することによって、人間に危害を
及ぼしてはならない。
2.ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければ
ならない。ただし、与えられた命令が、第1条に反する
場合は、この限りではない。
3.ロボットは、前掲第1条及び第2条に反するおそれの
ないかぎり、自己を守らなければならない。
よくできてるよね。アシモフは、ロボット関係の作品を
これに基本にして書いたのだろう。
作品は、この3原則に関する解釈やロジックや
パラドックスのオンパレードだ。
ロボットは矛盾に悩むと壊れてしまうか、不可解な
行動を起こす。
例えば人間を守らねば死んでしまうような場面で。
その為に自分が壊れるようなことがあれば、結局は
人間も死んでしまうとかね。
ロボットがしでかす事が、この3原則にのっとって行って
いると解釈できれば、故障や反乱では無いわけで、
人間は安心して対応できるというわけだ。
ロボット技術者も、ロボット心理学者も、時に騙され、
してやられ、災難を受けつつ、知恵を駆使して改良
を重ねる。
やがて、ロボットにより世界経済の安定が制御され
人間にとって平和が訪れるが…
はたしてそれが幸せなのか、どうなのか。
3原則の縛りの中で結局は、人間はロボットの思うように
飼いならされてしまっただけではないのかって、ギモンが
残る。
でもまず、実際はこの3原則の概念をロボットに植え
付ける事が大変じゃないかと思う。
できたとしても、作った人間のアヤシイ思惑が密かに
埋め込まれてるんじゃないかって勘ぐりも出てきそう。
くわばらくわばら
ところで物語は、ワタシらが生きるこの年代から未来に
かけてが舞台となっている。
現実にはまだ、はじめに出てくるロビィほどのロボットも
生まれてはいない。
ちょっと、遅くなっちゃったね・・・まだまだ杞憂ってことか。
その昔にかかれたSFってものすごく先見があって、しばしば驚かされる。