この本読んでる人って、猫好きが多いのだろうな。
「猫鳴り」 沼田まほかる著
誰もが子供好きで猫好きであるわけではない。
猫だけじゃなくて動物はきらい。
子どもの相手は不慣れで苦手。
って人もいる。声高に言えないからとまどうことも。
一部の信枝さんと二部の母と離婚した行雄の父は
きっと子供と向き合うのが苦手なんだろうな~。
不器用な接し方で、行雄の父はいつも失敗ばかり。
行雄は誤解してしまうけど、父は父で
日々どうしていいかわからないキモチでいるのだ。
行雄を憎んでるんじゃないかって思われそうだけど、
買ってくるコンビニ弁当は、よく見たら行雄が喜びそうな
ものばかりじゃないか。
行雄自身は、傲慢で不遜に見える幼児を憎む気持ちで
一杯だ。ジブンが愛されなかった嫉妬から来るもの
なんて短絡的に言われそうだけど、ちょっとこうゆう気持ち
わかる。
可愛らしいのをかさに着て、可愛がられるのは当然と
思っている存在って、ゾッとさせられる。
それを許し過ぎている親や愛玩動物の飼い主にもね。
こんな気持ちを抱えている人たちは、大勢からヒナンされる
対象なのだろうな
でも、父はちゃんと行雄をわかっていた。父なりのやり方で
行雄を救った。
ひょっとしたら、父も息子と同じような少年だったん
じゃないか?
それを行雄も理解できるといい。
信枝に何度も捨てられた猫のモンは、結局彼女の夫を
救った。
みんなが痛めた傷は無駄ではなく、巡り巡って
お互いを慰める優しいかさぶたになり、癒えたのだ。