撮り方で、絶対に是枝作品だとわかる(笑)
「そして父になる」 是枝裕和監督
静かな音楽。坦々と進む一家の何気ない一日。
突然、発覚した出産時の赤ちゃん取り違え。
田舎町の電気屋。一方の一家。
電球を買いに売る近所の人。応対する店主は
ホントにその辺のおっさん(ジツはリリーさん)
ドキュメンタリータッチで、芝居をしてないみたいな
自然な日常の風景。
真木よう子のヤンママみたいな母も、はまりすぎて
受ける。ドスの効いた声で子供を叱り、ダイレクトに
抱きしめる。
対して、裕福な福山雅治と尾野真千子の一家は
やっぱちょっと、映画だなーって感じ。
こっちの方が自然にやるのは難しいかもね。
なんたって、父がフクヤマだから、それだけで
普通じゃなくなる
6年間成長を見てきた子と、会ったことがなかったけど
血のつながった実の子。
双方の悲しみが、どうしようもなく、でもどうにかしないと
って、勝手にこちらまで焦ってくる。
血のつながりにこだわり、二人とも引き取ろうとする
良多(福山)。板挟みになる妻や子。
電気屋のオヤジの腹の座り方が素晴らしい。
全部ひっくるめて一緒でいいじゃないかって。
タワーマンションの中にパックされてしまうと、
しょっちゅう戸口が開いている町屋の良さは
すぐにはわからないのだろうな。
不幸な出来事が、幸せな2家族を作って結び合えたと
思えたら美しい~。