皆川女史の「開かせていただき光栄です」の
続編。前作を読んだのがもう2年近く前だったなんて!
「アルモニカ・ディアボリカ」 皆川博子著
前作は本格ミステリー大賞取ってるんだよね。
もちろん、女史の真骨頂って感じでとっても
良かったんだけど、なにぶん外人の名前が多すぎて
アタマの中でその世界を構築していくのが大変!
やっとヒトビトの区別がつくころに解決・・・みたいな(笑)
かなり疲れた。
トコロが今作は、あれから2年近くたっていたにも
かかわらず、その時の努力が(爆)実を結んでおり、
すんなりと18世紀のロンドンへと入って行けた。
その時の衝撃の結末を引き擦ったままの登場人物
たち。
盲目の判事、ジョン・フィールディングを中心に
ナゾの変死体をめぐる物語がはじまる。
死体の胸に刻まれていたアルモニカ・ディアボリカ・・
悪魔のハーモニーと呼ばれ、その音を聞いたものは
死ぬという都市伝説みたいな楽器。
調べるうち、かの有名人フランクリン博士監修の元
開発した実在する(物語ではね)楽器だとわかる。
そのお披露目の演奏会で何が起こったのか?
前半はこの楽器に興味をひかれる。
原理はグラスハープだ。しかし、もっと精密な。
グラスの形状や厚さ、水の蒸発する分まで計算に
入れたキビシイ調律。
奏でたらどんなに素晴らしい音楽になるのだろう。
続いては、当時の精神病院の荒廃ぶりに目を見張る
展開。
見世物小屋のケンタウロス。おどろおどろしい~
海外版江戸川乱歩だね。
その当時のロンドン周辺の雰囲気が前回同様アリアリと。
政治家の腐敗や空気の汚さ。貧しいもの下層のもの
たちの扱われようの理不尽さ。
遵法と本当の正義を行う事の間で悩むフィールディング。
血気盛んな若者たちが、そんな気持ちを組んで活躍
する。
今回は純粋に物語が楽しかった。
ただ、広げてきたお店の割に、最後の方が少し
店じまいがバタバタと、あらすじみたいになってしまった
のは残念。
恋人たちの感動的な部分もサラリと終了。
あえて、感傷的に終わらせない方がいいと判断
したのかな?
まさか、先生疲れちゃったんじゃあ・・・
いやいや、まだまだ書いてください!
次回作、待っております。
ロンドンつながり、「シャーロック3」もいよいよオンエアだ!