「百鬼夜行シリーズ」なんて目がなくって
何年待っても、むさぼるように読んでたのに、
ちょっと待ちすぎ・・
そのうち、「巷説百物語シリーズ」がこれまた
面白くて、・・・また終わっちゃってという具合。
そんなところに
「書楼弔堂~破暁」 京極夏彦著
一回では読めないような題名。
漢字変換もスグできないし(笑)
出だし、クドさがパワーアップしたかと覚悟したが
ダイジョウブこれなら行ける行ける。
幕末の名士たちが迷ってやってくる書楼弔堂。
店主から彼らにピッタリの本を勧められ、
道を見つけて、再出発するのである。
本は読まれなければ紙屑である。
用無しになった本を集め弔うのが店主の役目。
だが、必要な人間との出会いがあれば、その本は
まだ生き続ける。
このオジさん、この時代に古今東西どころか洋書に
至るまでの知識を網羅している。
書痴ともいえる店主(名前、なんだっけ)は、先日読んだ
「書物愛 海外篇」のメンデルを思い起こさせる。
しかも、著名人の人生の指南までしちゃってるんだから
タダもんじゃないよ~
嬉しいのが、巷説百物語とリンクしていた事。
道理で、どっかで聞いたことある名前が出てくると
思ったら。なら、当然百鬼夜行に行きつくわけで・・・
しかし!
最後の最後で、これほどダイレクトにつながるとは
思わなかった(笑)
破暁~って、初めて聞いたけど、「夜明け」なのかな。
2つの物語が弔堂を通じてつながって
しかも新しい日本の黎明に向けて、各々の人物が
活躍を始めると言ったところなのかな。
一人の作家を読み続けると、それぞれの作品の
世界がリンクする事が多くて、これって結構
止められない快感のひとつだ。