さすがは、旅の作家
旅の写真とその写真にイミを持たせるエッセイの本。
「旅の窓」 沢木耕太郎著
沢木氏がファインダーをのぞくと、ちゃんと旅人の目線で
シャッターを切る。
自分が一番感動できた物、被写体が何かを物語っている物、
そして、その時の自分の心象風景を反映している物。
直接には出てこないが、旅の中でいつかの時代には帰ってゆく
場所だったかつての家族への郷愁がそこにはある。
赤ん坊の小さな指や宿題をする子ども達。父親から離れてゆく息子。
海岸にいる男の子を写せば、写っていないそれを見守る父親の
気持ちに思いをはせる。
珍しい写真も数々あるが、今の自分の心象風景なのだろうか?
ワタシには1枚目の「そこからどこへ」が一番グッときた。
圧倒的な濃い青の空の下、男が画面の左端からフレームアウト
しようとしている。
そこからどこへ・・・ワタシも。
ワタシの写真って、いっつもピンボケなのよね~(泣)なぜなの?