てなわけで、今年のプールサイドでの1冊は、
解錠師 (原題 THE LOCK ARTIST)
スティーヴ・ハミルトン著
ダイスキなポケミスね。
原題がいいな。ロックアーチスト・・・芸術の域なんだ。
でも、主人公は17歳の少年。
幼い時のある事件が原因で声をなくしている。
彼には、特殊な能力がある。絵の素養とそして、解錠。
始めは、伯父の家で捨てられた鍵。
解錠する事に快感を覚えた彼は、その鋭い聴覚や触覚を使って
次々に高度な鍵を開けていく。
ただのタノシミに過ぎなかったのが、悪人にその才能を利用され
次第に抜き差しならぬ運命に導かれてしまう。そして・・・
な~んて、あらすじ書いちゃった(笑) めずらし
ピカレスクなんだけどとっても爽やかな青春小説。
解錠なんてほぼいい事ではないんだけど、取り掛かっているときの
マイケルの心中の描写がとても美しい。
小さな声(音)をもらさずに聞こうとする耳と、
女性を扱うように柔らかに細心に動く指先と、
暗記し計算し数字を並び替える脳。
詩を読んでいるようなハーモニーを聞いているような、素晴しい
パートだ。
誰よりも物静かで(自分で自虐ネタにしている)、冷静な彼は
危ない道をギリギリ切り開いて進む。
唯一、ココロが通い合うと信じたアメリアのために。
現在と過去を交互に書いていく手法は、良くあるけど
相互が限りなく近づいてきた時、クライマックスは加速度を増し
一気に大団円を迎える。
刑務所に入った彼を待ち受けるミライは
もの凄い暑さの中、読了。
噂にたがわぬ面白さだった 数々の賞をモノにしている。
シリーズ物にまで手を出しちゃったら病み付きかも。
マクナイト・シリーズと言うのがあるそうだ。
お蔭様で、今年も肌は真っ黒こげ。
読後の満足と共に
ヒト泳ぎして、ワタシの夏ももうすぐ終わる。
暑かったけど短かったよね、夏・・・って、まだ暑いし終わってないし