フツーに読書。 「私の男」桜庭一樹著読了。
ほ~う、ですね。感想の前に、文庫本解説を北上次郎氏が
書いていて、内容にオドロキ。
まず、桜庭氏のもう一つの名作「赤朽葉家の伝説」について
触れていて(実はワタシこの作品をとても気に入っていて、
今回の本もすごく期待して読んだのだ)、その中で、何と
ガルシア・マルケスの「百年の孤独」が出てきて
ビックリ。
北上氏によると、
「赤朽葉家の伝説」を読むと、「百年の孤独」を
想起する人が多いんだそうな。
ワタシにとったら、「百年の孤独」は永遠の作品![]()
これほどの名作なかなかめぐり合えないと思うほど面白かった。
でも、 「赤朽葉・・」というより、むしろ古川日出男の
「アラビアの夜の種族」の方が、同じ種類の面白さを感じたけど。
どれも伝奇小説と言うか、あるイミ大河小説と言うか・・・スケールがでかくて
分量も
たっぷり、読書の楽しさをたっぷり味わえる作品だと思う。
3冊とも読み終えてしまったのがサビシイくらい。
ところで、「私の男」。 こちらはそれに比べたら、ちょっとスケールは
小さいけど、とても巧みだ。
”わたし”の養父、淳悟はろくでなしのマザーファッカー。オマケにムスメを
溺愛してる。字面だけみてるとしょうもないけど、この男を危ういところで
不敵でニヒルな男にとどめている。あくまで”わたし”視点でしか見せない
せいかも。
キタから逃げてきた二人。そうとうドロドロの話だと思うが、作者はこれ以上
書くと、下品になるギリギリのところでとどめていると思う。
最後は爽やかにすら思える。
肝心な事は書かない・・田岡はどうなったのか・・これから2人はどうなるのか
読後も、想像してやまない。
欠損家族(そんな言葉があるなんて!)の大河物語。
トコロでワタシの中で、淳悟は若い時のトヨエツでキャスティングしてたけど
どんなモンでしょう・・・