ついに読了、ジェノサイド
平行読みで伊藤計劃のメタルギアを入れていたため
初めの頃、内容が重なって変になった(笑)
系統としては同じなので、あれこれ比較できる所もあり、
大変楽しい時間だった。
題名は大量虐殺だから物騒だが、想像するような場面は
意外に少なくて、むしろ丁寧に細部をごまかさず書いている所が
好奇心を刺激されて心地よい。
主人公の大学生が、事件に巻き込まれ未知の創薬ソフトを用いて
難病の治療薬を創る、その過程で。
薬学という分野が、「創薬をデザインする」なんて言葉で表される事が
とても新鮮だった。その過程でのダイナミズムとか。
ハナシの発端は、日本人にとってはブラックボックスのアフリカで
生まれた進化した子供。
人類が進化すると、旧人類(ワタシ等ね)にとっての彼らはのよう
な脅威になる。
具体的には・・・とあって一番興味を引いたのは、その能力。
ハイズマンレポートによれば、4次元以上の理解・複雑な全体を
とっさに把握できるなどなど。
全く関係ないところで起こっている事象を瞬時に結び付けて、分析し
戦略を練る・・。
「数学的にありえない」の中で、驚異的な計算能力を待つ天才が
次に起こる事象を瞬時に予知して対抗するんだけど、それのもっと
すごいヤツ
そんな存在が現れたら、ほんとに全旧人類ナノマシン注入されて、
IDタグ付けられて管理されちゃいそう、ってメタルギアの世界だね~。
そうしたら、戦争PTSDにかかりそうなイエーガーももしかしたら
感情のコントロールされて痛みを感じずに済むのかもしれない。
近未来小説の行き着く先は、何だか同じところのような気がしてきた。
一部の特権階級によって、政治経済だけじゃなく戦争も平和も人間も
コントロールされてしまう世界・・・あれ今だってそうじゃないか
ただのミステリィ小説だなんて思っていると、いつの間にか現実の
世界になっているかもしれない・・・