フィリップ・K・ディック記念特別賞を受賞した
夭折の作家、伊藤計劃の遺作。
日本人、もしかしてアジアでは初じゃないかな。
フィリップ・K・ディックといえば、SF映画の金字塔
「ブレードランナー」の作者だし。
映画の事はまた今度。
「ハーモニー」は京極の「魍魎の箱」を感じさせる。
中島梓や竹宮恵子が
ボーイズラブを描いたように、
男子もこうしたモチーフは使ってみたいもの
なのだろうか。
それとも、1人称にこだわっていたように、
表現の手法として女子を使ったということなのか
エグい内容でも美しくうつるとか
・・興味深い。でも
こうした独特の世界観が作れるなんて、一体
どんなものをインプットしてきたヒトなんだろう。
どういう思考回路なんだろう。
どちらにせよ、「虐殺器官」から続いてきた
この物語は、長くSFを敬遠してきた
自分を後悔させるには充分だ。
こんなにクールなSFなら
興味を失うことなく読み続けられるのに。
本当に面白かった。
惜しむらくは、長編はあとメタルギアだけ
スネークの物語なら今すぐにも読みたいけど、
もったいなくて読めない。
ついでに、第弐位相は高くてカエナイ(泣)。