フィアットにおける小型車の礎として、600(セイチェント)は今から半世紀以上前の’55年にデビュー。
 
コンパクトなボディーに広い室内・・・このコンセプトはモーリスミニマイナー(ミニクーパー)と同じですが、登場は600の2年後(’57年)です。
ミニのFFに対し、600は水冷・直4OHV663cc(21.5ps)のエンジンをリアに積んだRR式。’60年前後にはフィアットの全乗用車生産の半分を占めるほどの大ヒット車になりました。
 
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’65年型 オランダ版。’61年から排気量が767cc(29ps)にアップ、車名も『600D』に。
 
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デビュー当初は前開きドア/引違い窓でしたが、’57年には巻上げ窓化、’61年に三角窓が付き、さらに’64年には通常の後開きドアになりました。
 
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リアエンジンなのでボンネット内は荷物スペースに。さらに後部シートを倒すと結構な荷物が積めます。
前シートはリクライニングのない固定式で、そのままのカタチで前に倒れます(笑)
 
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オープントップ仕様は登場時から用意されていました。
 
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派生種の多用途車、『600Dムルティプラ』も掲載。最大6人が乗れ、シートアレンジが様々で大家族のファミリーカー、レジャーカー、商用車を始めタクシー(専用シート仕様)としても活躍しました。
 
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フロントサスは横置きリーフ(板バネ)、リアはコイル&セミトレーリングアームのダイアゴナル・リンク式。
 
イタリア本国では’69年に生産中止となりましたが、西ドイツではネッカーヤークスト(NECKAR JAGST)、スペインはセアト(SEAT)600、ユーゴスラビアはザスタバ(ZASTAVA)600/750として生産されました。