■ネットワークと分岐点-2

ネットワークが個性の自由な流通を生むシステムとして見た場合、

次に来る分岐点とはどのようなものなのか考えてみたいと思います。

今、世界の経済がリーマンショック以後の金融危機やヨーロッパのユーロ安などにより多大な傷を負っています。

各国の社会システムの違いを超えてその影響は世界的です。

我が国日本も超円高に苦しみ、産業の空洞化をも生んでいます。


世界経済が今すぐ破綻しないにしても、

大きな曲がり角に来ていると感じている人は多いと思います。

社会が様々な欠陥を内包していると感じ、出口の見えない現状に不安を持ち、

希望が欠落してしまう可能性も多いのではないでしょうか。


最悪な状況も予想に入れながら、

これからの生活基盤の構築を考える必要があるかと思いますが、

ここではネットワークパワーをテーマにしている訳ですが、

現状に於いてもビジネスを通したネットワークがあります。


現代社会は資本主義経済システムによるビジネスネットワーク社会とも見て取れます。

ビジネスネットワーク社会は利害関係が重要な要素になっていると考えられますが、

勿論利害関係を端緒として始まったのではなく、

より良く、より便利にと言ったパイオニア精神が先にあり、

先駆者が社会を変革して来た歴史があると思います。


ただ、物やサービスが経済の基盤として流通し発達してきたが故に、

そのシステムによって行き詰まりを生み限界の壁を作っているようにも見えます。


最終的には利害を超えられないシステム特性で有るが故に、

パイオニアもその枠の中からの飛躍は現実的ではないとの認識に収斂されてしまう可能性もあります。

それ以上は改革者としてのアントレプレナーや企業家ではなく、

革命家へと飛躍してしまう可能性、または危険性が孕んでいるかも知れません。

その先は政治の世界になりますが、政治もまた経済から切り離すのは不可能です。


これら限界を生みつつある社会ネットワークを、

「個」の繋がりによるネットワークが生み出すパワーによって、

より良く変革し得るかが次の分岐点として考えてみたいと思います。


マルチティアによるネットワークビジネスが、

経済基盤の中にあることに違いはありませんが、

通常の商取引のネットワークとは異質です。

この異質なネットワーク性の中に、新しい社会システムの芽生えと胎動はあるのでしょうか。



■こころの流通

B to B にしろB to Cにしろ、

相互の取引関係に集約されがちな現行のネットワークと比較すると、

個におけるパーソナルネットワークは、

ネットワークと言う言葉に相応しく誰もが等しく構成因子となる連なりと、

サポートによる繋がりが見て取れます。


先行者のサポートは次のネットワーク参加者へのサポートとして受け継がれて行きます。

上位は下位の者を、下位の者はまたその下位の者をと知識やノウハウの流通が起きます。


物やサービスと意識が共に流通するこの感性は、

相互に支え合いながら、私もあなたも共に栄えて行く、

と言うより良い方向性が内在してはいないでしょうか。


自分が活動することは、繋がったメンバーの活動と同義となります。

先に見てきましたように、ダウン39名が活動することが自己の活動に加味され、

活動力は39倍となり、また、アップの活動が更に自己へと降り注いできます。


現行では1人(1社)が平均から抜け出すと、ピラミッド構造を作る危険性を孕み、

また、その構造が成立して行くことで上下関係が強まる危険性も孕んでいるような気がします。

しかし、個のネットワークは相対的にフラットで、

1つの構成因子である自分が飛び抜けると、上位者も下位者も共に潤うこととなります。


上位者は上下関係や支配感性ではなく、

むしろ相互扶助によるメリットに意識がフォーカスされることにより、

やさしさの感性へと繋がって行く可能性を持ってはいないでしょうか。



「個性の自由な流通」から、

「こころの流通」が次なる分岐点となるのではないでしょうか。