今日、私の職場に、乳がんの大先輩お2人が訪ねてきてくれました。お2人は、私が乳がんと診断されたとき、、周りに話を聴ける人が少なく、「病院選びの話が聞きたい」、、と言ったら、会ってくださって、いろいろ聴かせてもらったご恩があるのでした。

お1人は七十代、もうお1人は八十代。七十代の方は、術後2年、八十代の方は、右乳がん手術後20年経過しています。八十代の方は、7年前に、左にも乳がんが見つかり、切除してらっしゃいます。右の手術をしてからずっと、半年ごと、定期的に検査していたのに、見つかったとき左の乳がんが4cmにもなっていて、「半年おきに、一体何を見ていたのか!?」と頭にきたので、医師に相当な文句を言ってやった、、という話を伺いました。その方のかかっていた病院は、乳がんの治療成績は非常にいい病院だったので、、そんなこともあるんだな、、と思いました。

   お二人とも元気いっぱいで、、飲んでいる薬の名前もよく知らないそうです。お二人とも、ホルモン陽性乳がんなので、おそらく飲んでるのはアナストロゾールや、レトロゾールなどのお薬なのでしょうが、、しかし、気になっていろいろ病気のことを調べてしまう私と違い、薬の名前も知らずに飲み、調べないでいられる、、その精神状態が羨ましくなりました。夏に患者会に参加したとき、、、参加者の患者さんの中の1人が、「BRCAって何ですか?」と先生に質問しているのを聴いたときも、、羨ましくなったのを思い出しました。。つまり、そういうことを知らないくらい、、乳がんについて調べないでいられるような精神状態だ、、ということだからです。


   そんなことを思い出しつつ、、私は、お二人の元気な姿に力をもらいつつ、、話していて、なんとなく孤独感を味わってしまいました。なんとなく、2人からは、再発しないオーラが出ていて、それをお2人とも、私は大丈夫、的に、ご自分でも自覚しているような、、そんな雰囲気を漂わせていたのです。でも、それは、私にそう見えただけで、もちろん心の中までは、不安がないかどうかまで、、わからないわけですが。。。私はすでに骨があちこち痛くて、、家の物品を減らして整理に明け暮れている日々、、あー、もうダメなのかも、、と毎日思いながら仕事し、生きるのは、しんどいこともあり、お2人とも、年齢的には、私よりも、死に近づいてる年齢ではありますけど、、話しているうち、なんか私の方が、死を強く意識させられながら生きているんだな、、という、なんとも言えない孤独な感覚を抱いてしまったのでした。。

  いろいろ不安になっても、予後が改善するわけではない、いろいろ調べて病気を理解しても、再発が防げるわけではない、、お2人からは、そういうメッセージをもらったような気持ちです。。しかし、そう思っても、なかなか不安からは抜け出せない日々。。私は、この不安な気持ちに依存しているのかなあ。。?


  腫瘍内科の勝俣先生って有名な先生がいますけど、、例によって、患者さんには、「最善に期待して最悪に備えましょう、、」と言うらしいのですが、、まあ、どんなに有名で、名医とか言われていても、、「最善に期待し、最悪に備えましょう」などと言われると、やっぱり治せないものは治せないんだな、、と私なんかは、救いのない気持ちになります。
  
   どこかのブログで読んだのですが、、主治医がムロツヨシ似で、、ステージ2かなんかの乳がんがわかったとき、「死ぬんでしょうか?」と訊いたら、、「この状況で、死ぬほうが難しい。。」、と言われていた方がいました。「最善に期待し、最悪に備えましょう」よりは、はるかに有り難いお言葉だな、、と思いました。まあ、勝俣先生は、基本的に、手術が困難になった患者さんが担当だから、基本的に根治を目指す場合ではないことが多いために、そういう言い方しか出来ないのだとは思いますが、、、ステージ4の患者さんにかける言葉が優れている先生、、どこかにいないかな、、、と強く思うのでした。。ちなみに、私の主治医は、「お気持ちお察しします、、」なんだよな。。うーん。。