私が、乳がん検診を受けはじめたのは、三十代のはじめでした(現在44才)。職場で、毎年10月、11月くらいになると、乳がんと子宮頚がんの検診を促す知らせが来て、、同じ部署内の女性の同僚3人と、休みをやりくりしながら順番に受けに行くのが恒例でした。

そこの検診は、必ず2名の乳腺外科医で画像を見て、どちらか1名以上が要再検査と判定したら、再検査になる仕組みでした。

ガンになる前、再検査になったことは2回あって、その都度、単なる嚢胞、だったり、単なる乳腺症、だったりしました。今回のガンとは、それらと場所が違っていて、それらはそれらで、変わりない様子のため、ガンはガンで、多分数年前からあったはずなのですが、、、やっぱりわからないものなんだな、と思いました。

私の家は、ガン家系ではなく、乳がんや卵巣がんなど、婦人系のガンになった人もいなかったので、乳がんになるかも?と不安を抱いていたわけではなく、検診はいつも、なんとなく受けておこう、くらいにしか思っていませんでした。

検診は、マンモグラフィと、エコーの、どちらかを無料で受けられるシステムで、もう片方も受けたい場合は、自費になる、という仕組みでした。

私は、三十代、初めてマンモグラフィのみを受けた際、「生理前ですか?」と訊かれました。「生理前は、乳腺が濃くなるので、ガンを見つけにくいから今度から受ける時期に気をつけてください」と言われ、それからは、受けるタイミングを気をつけるようになったのですが、、それでも、「若干、乳腺が濃く映る傾向がある、そういう人は、見逃されるリスクがあります。毎年マンモグラフィばかりでなく、エコーとマンモグラフィを交互に受けてみてください。」、と言われたこともあり、それからは、エコー検査を自費(4000円)でプラスして毎年、両方の検査を受けるようになりました。

  36歳ころ、、エコーで嚢胞が見つかって、再検査になったときは、片方の医師が、大丈夫、といい、もう片方が、念のため、と再エコー、やはり単なる嚢胞との診断、随分慎重な先生なんだな、これなら、検診としては機能してくれそう、となんとなくそこのクリニックの検診体制への信頼感は持っていました。

  検診を受けはじめて十数年、、なぜか今年に限って、10月、11月の検診を受けるやりくりが職場の業務上どうしてもつかずに、年明けに検診を受けに行きました。マンモグラフィは何の所見もなし。。しかし、エコーには形状不正な形の黒いブツが。。。

   検診してくれた女医さんは、「うーん、1.2センチくらいかな。このおっきさで見つかるのはラッキーだから。」と、3日後に針生検の予約を入れてくれました。そして、バネ式針生検、、2月6日に癌の確定診断。

  悔いが残るのは、毎年受けていた、10月11月のタイミングを逃したことです。そのときだったら、もうちょい腫瘍が小さかった可能性があります。でも、そのときだったら、もしかして、見逃されていたかもしれない、、と前向きに考えることにしました。あとは、もともと乳腺が濃く映ること、そのことによる見逃しリスクの可能性を、三十代のころ、ちゃんと説明してくれる医師だったことには感謝しています。今回のガンは、マンモグラフィには全然映っていなかったのと、比較的、乳房内の中側の方に出来ていたので、しこりに、検診の医師2名ともが、「エコー画像でそこにある」、とわかった上で触っても、「わからない」とコメントするくらいに、触診では気づけないしこりだったからです。エコー検査をプラスする意義を知らなかったら、、今回、たとえ検診を受けていても、マンモグラフィのみで、「所見なし」、となり、ホッと安心、それから一年以上ガンに気づかなかった可能性が高いです。

  聖路加国際病院で乳腺外科部長をしていた山内英子先生は、「そろそろ日本も、猫も杓子も乳がん検診を受けさせる風潮から脱するべき時期に来ている。」とコメントされていましたが、、私はこのコメントには断固反対です。私は、検診を受けていなかったら、間違いなく、ガンに気づかないまま、今も普通に日常を送っていただろう、と思うからです。