エリザベス.キューブラー.ロスは精神科医です。




末期患者へのインタビューを行い、講演会などもいくつもこなしました。




ある日、講演会にある家族が訪れます。




両親と息子。




息子は末期患者です。




まだ9つの少年です。




少年は、講演会を聴いてエリザベス.キューブラー.ロスに一緒に自宅に来てほしいと頼みます。




『そんなに時間はとれないのよ』




と、エリザベスが言うと。




『10分位で済むから』




と、少年は応えます。




少年は自分の残された時間が短い事を知っていました。




最後に誕生日に買ってもらった自転車に乗りたかったのです。




9つの少年がプライドを捨て、父親に補助輪を付けて欲しいと頼みます。




泣きながら息子の頼みを聴く父親。




少年はエリザベスに頼みます。




『ママを押さえてて』




少年は補助輪を付けてでも自分一人で自転車に乗りたかったのです。




エリザベスがいなければ、母親は少年をまるで赤ちゃんを抱くように抱え、自転車に乗せて一緒に町内を回ったでしょう。




両親とエリザベス3人は互いに支え合い、もしかすると転んで血だらけになって戻ってくるかもしれない少年を待ちました。




ほんの数分がとても永く感じられました。




そして、戻ってきた少年の顔は喜びで輝いていたそうです。




満足した少年はある日弟を自分の部屋に呼びました。



話の内容は自分が亡くなるまで秘密にする約束をします。




少年は亡くなり両親は弟に尋ねます。




『僕があの自転車に乗る事はもうないだろうからおまえにあげるよ。




だけど、ひとつだけ約束をしよう。




補助輪は絶対付けるな。




あれはカッコ悪いからな』



少年はやり残した仕事を終えて、旅立っていきました。




私は思います。




少年だけでなく、両親も息子の輝いた顔を見る事ができて良かったのではないかと。




そして、年をとる毎にやり残した仕事は少しずつ増えてゆくのではないかと。




少しでも…。




日々後悔のないよう生きたい。




1日1日心を込めて生きたいと思うのです