あの日から、10年の歳月が流れたのですね。

 

あの大震災で、大切なひとを亡くされた方々

 

10年もの長い間、さぞお辛かったことでしょう。

 

そう簡単には癒されるものではありませんよね。

 

10年だなんて長すぎて、辛すぎて

 

私には耐えられるかどうか…。

 

 

 

あの日、あの時

 

私は、祖母の入院先の病院にいました。

 

大腿骨骨折の手術を数日後に控えた祖母を見舞っていたのです。

 

 

 

今まで経験したことのない長くて強い揺れの地震に

 

昔テレビでみた「日本沈没」が現実に起きたのかと思いました。

 

 

 

どうにか帰宅して、息子、娘、夫、義父母の無事は確認できたけれど

 

こんな日にトシちゃんをディサービスお願いしたことを

 

ものすごく後悔しました。

 

 

電話も通じないし

 

カーラジオからは、「大津波警報」が」出ていること

 

既に津波に襲われた地域があるとのニュースが流れていました。

 

 

 

停電で信号機は作動しないし

 

道路は大渋滞で、なかなか車も進めない。

 

連絡も取れず状況もわからない…

 

不安でいっぱいの中、ようやく無事にトシを迎えられた時には

 

涙が出そうでした。

 

 

 

 

震災の傷跡が残る中

 

その後は学校も、ディサービスもしばらくは休ませました。

 

障害の重いトシを、自分の側から離すのは不安だったし

 

もしも我が子のせいで

 

どなたかが逃げ遅れたりすることがあってはいけないと思ったので。

 

 

 

 

物流が滞って、思うように買い物もできず

 

トシちゃんにはひもじい思いをさせてしまいました。

 

日に日に食卓がさみしくなって

 

食いしん坊のトシちゃんは、しょんぼりしていました。

 

 

 

 

あの震災はとても恐ろしかったけれど

 

10年前、ほんの10年前は

 

トシちゃんがいてくれて、幸せだった。

 

 

トシちゃんには、怖い思いをさせてはいけない。

 

トシちゃんは私が守ってあげなきゃいけない!

 

そう思っていました。

 

 

 

だから今は

 

怖い思いさせてごめんね。

 

守ってあげなくてごめんね。

 

助けてあげなくてごめんね。

 

ひとりで逝かせてしまってごめんね。

 

毎日が懺悔。

 

自分が許せないのです。