しばらくして、男性の実家近くから少し離れた所へ引っ越した。

男性が働かないのは変わらずで、母親が水商売をして暮らしていたが、この頃私はよく叩かれていた。

言いつけを守らなかったから
間違って何かこぼしたから

『あいうえお』の練習をしていても、すぐに怒鳴り声や手が飛んでくる。いつ怒鳴られるのか、いつ叩かれるなかなんて分からない。

家の中に入れない事もあった。
玄関口で立っていると通りかかった近所のおばさんが『どうしたの?家入らないの?お母さんもお父さんも帰って来てるよ』と声を掛けてくれたがただ黙ってうつむくしかなかった。


救いは、いつも遊んでくれた、母親と暮らしていた男性だけだった。