ブダ城は本当に綺麗!でも工事が多いのが玉に瑕.....


ハンガリー旅行の一番の目玉スポットといえば、やはりブダ城でしょう!しかし残念なことに、ここ最近のブダ城周辺の王宮の丘ではそこかしこで工事が行われており、フェンスやクレーン車が景観の妨げとなってしまっているのも事実です。この記事では「一連の工事は何を目的としているのか」「具体的に何を建てているのか」を紹介できればと思います。


 王宮の丘再建プロジェクト



ここ最近のブダ城付近では"National Hauszmann Program"(国立ハウスマンプログラム)という名の王宮の丘再建プロジェクトが進められています。19世紀末、オーストリア=ハンガリー帝国時代にブダ城を現在の形に改築したことで高名なハンガリー人建築家Hauszmann Alajos(ハウスマン・アラホス)の名を冠したこのプロジェクトでは、戦争やその後の時代に被害を受け荒廃した王宮の丘をハウスマンがブダ城を改築した当時の状態にまで再建することを目的としています。



 ​工事中の主な建物

・Archduke Joseph's palace(ヨーゼフ太公宮殿)



ヨーゼフ太公宮殿は首相官邸や大統領官邸などがあるSzent György tér(聖ジョージ広場)に面しており、ブダ城ケーブルカーの乗り場から出た際に真正面に見える建物です。この建物はオーストリア太公ヨーゼフ・カールやその息子の家族の邸宅として使われていたものの、第二次大戦の際に被害を受け廃墟と化し、その後社会主義体制下の1968年に爆破され完全に更地となってしまったようです。2021年から再建工事が進められており、来年中(2025年)には工事が完了する予定とされています。将来的には憲法裁判所がここに移転してくるのだそうです。聖ジョージ広場は観光客が多く、この建物は特に目立つ場所にあるため、一日も早い完成が待ち望まれます。


・Former National Defense Command HQ(旧国防省最高司令部)


この建物は旧国防省最高司令部であり、Disz tér(ディス広場)に面しています。ディス広場は先程紹介したヨーゼフ太公宮殿の面している聖ジョージ広場とも隣り合っており、この辺一帯で工事が行われています。第二次大戦の際に被害を受けたこの建物は、共産主義勢力によって1947年に一階のみを残して取り壊されたそうです。再建工事が完成した後は、観光客用のビジターセンターとして使われる他、王宮の丘の北端に位置する軍事博物館が移転してくる計画もあるそうです。


・Former headquarters of the Red Cross Society(旧赤十字本部)


旧赤十字本部は旧国防省最高司令部と同じく、ディス広場に面しています。マーチャーシュ教会の方へと繋がる傾斜のある道路の上に建っているため、一階部分が斜めになっているのも特徴です。この建物も例に漏れず第二次大戦で被害を受け、1946年にイデオロギー的な理由から完全に取り壊されました。再建後は赤十字が移転してくる計画もあるそうです。


 他にも.....

国立ハウスマンプログラムでは以上に紹介した建物の他にも、ブダ城北翼に位置しヴェルサイユ宮殿に次いで世界で二番目の長さを持つネオバロック様式の美しい宴会ホールや、ブダ城の外観そのものの再建も進められているそうです。


 ​既に再建された建物も紹介!

・Royal Riding Hall(王立乗馬ホール)


2020年に再建されたこの王立乗馬ホールは現在内部の広いスペースを利用して会議場や宴会場として使われています。また床板を簡単に外すことが出来る仕組みになっているそうで、本来の用途である乗馬目的にも使用することが可能になっています。祝日などには様々なイベントが催され、騎馬兵が集結することもあるそうです。


・St. Steven Hall(聖イシュトヴァーンホール)


聖イシュトヴァーンホールはかつてブダ宮殿内でも最も豪華な部屋の一つでしたが、第二次大戦後にイデオロギー的な理由から行われたブダ城内部の大規模な破壊に巻き込まれてしまいました。2020年に再建されてからは当時の栄華を偲ばせる素敵な部屋として観光客を集めていますが、ブダ城の中でも真正面のドームが目立つハンガリー国立美術館と比べると来場者数は少ないため、実は穴場スポットともなっています。また聖イシュトヴァーンホールはブダ城南端に位置するブダ歴史博物館と繋がっておりシームレスに移動が可能で、ブダ歴史博物館自体も14世紀ごろの地下教会や貯蔵庫を見ることが出来るイチオシスポットなため、ブダ城を訪れる方には是非とも聖イシュトヴァーンホールと合わせてブダ歴史博物館を訪問されることをオススメします!聖イシュトヴァーンホール及びブダ歴史博物館の紹介はまた別の記事で個別に扱おうかなと思っています。


 ​最後に

今回なぜこうして工事そのものに焦点を当てて記事を書いたかというと、やっぱり普通は観光地のド真ん中でガンガン工事してるのって景観的にも体験的にも結構マイナスなことじゃないですか。でももし一体なぜ何を工事しているのかという背景や歴史を知ることが出来たなら、そのような工事も含めてその土地そのものを感じて楽しむことが出来るのかなって思ったんですよね。完成まであと数年間、景観的にはかなりマイナスですが、どうか温かい目でハンガリーを応援して待っていただけたらなと、地元民としては思います。


ちなみになんですけど、この記事が人生で初めてのブログ投稿なんです!まだ慣れてないので読みづらかったり分かりづらい文章ばかりだったかもしれませんが、最後まで読んで下さりありがとうございました!!!