夫が、新しいくつが、合わなかったのか、
足を痛めて、引きずっている。
「痛い!」と、大騒ぎ。

私は、心配しながらも…
どこか、素直になれない。

だって…
私が、歩けなくなり、どん底の気分を愚痴った時…
これ以上ないような「正論」をはいた。

そんなの、励ましどころか、逆だ。
「そんなご立派に、すぐ、立ち直れる人なんて、いるのかしら?少なくとも、あなたなら、私以上に、大騒ぎするんじゃない?」
と、反論して、喧嘩になった。

たしか…
「徒然草」の中の、友達になりたくない人の項目にも、あったはず。
「たけきもの」
つまり…
病気知らずで、体が丈夫な人は、
病弱な人の気持ちが、わからないって事ね。

痛がる夫に…
ちょっと、悪魔な私。
(だって、私、毎日、痛いもん)


ところが…

先週…
我が家へのお客さんが、
帰りがけに、急に具合が悪くなった。

お客さんの血圧、脈、熱を計り…
全身を、マッサージして…
(夫は、国家資格を持つ、東洋医療従事者です)

少し具合の落ち着いたお客さんに、肩を貸し、
「そこ、段差があるから、気を付けて」
などと、励ましながら、車に乗せ、
お客さんの車を運転して、家まで送り、
自分は、タクシーを拾って、真夜中に、帰ってきた。

その後も、ずっと、そのお客さんの事を、心配している。


夫を、ちょっと、見直した。

たけきものに、支えられている私は…
たけき人達に、感謝しなくちゃネ






裕子