「思い出箱」から、思わぬ物が出てきた。



《夫から幼い△男への手紙》


読み書きができるようになっても、
何が書いてあるのかを理解できない△男のために…
毎朝、△男の席に、手紙が置いてあった。

「プリンが冷蔵庫にあるよ!」
「苺を5個、食べていいよ!」…etc…

楽しい内容だから…
△男は、なんて書いてあるのか理解しようと、必死になった。


夫の子育ては、
ダイナミックで、楽しかった。

海、山、博物館、プール、DL…
いろいろな所へ出かけた。
(ケド…仕事との兼ね合いもあり…いつも突然言うの…着替え、飲み物、おにぎり…いつもバタバタ➰)

雨で外遊びができない時は、
家具を動かして、家の中が、迷路になったり…
(買い物から帰ってきた私は、唖然!)

家中がプラレールの世界になったり…
(掃除ができなくて、大変だったワ)


夫は、声がデカイ!
夫が怒ると、子供たちは、震えあがって…

「ほめて育てる」っていうケド…
ほめるのは、たま~に、
本当にほめるべき時だけていいんじゃない…?

「ヤッバ、怒って育てる」でしょ!
(子供は天使であり悪魔…甘い顔してたら、スグ付け上がる)

いつも愛情を持って接してくれて…
本気で一緒に遊んでくれて…
それで…
本気で怒られたら、
「悪い事した」って、素直に思えると思う。


私には「一人で子育てをしてきた」という自負はない。

△男の事で悩み、心が折れてしまいそうな時…
いつでも…
となりに夫がいた。

悩みや愚痴を聞いてもらう事も、ありがたかったが…
△男が何か一つできるようになった時、
共に、喜んでくれる人が、となりにいる事が、嬉しかった。


乳癌になって8年…
(末期となって4年…)
子育てのようには、歩めなかった。

ゆっくりではあるが…
私は、着実に「死」に向かっている。

長い間、夫は、それを認めなかった。

私は…
家族に、つらい思いを話せない。

でも…

「言葉」が全てじゃない。

本当につらい時…
やっぱり、いつも…
となりに夫がいる。

病状が少しでもよくなると…
真っ先に、夫に知らせたい。


ずっと、となりにいたはずが…
今の私は、杖をつき…
気付けば、夫の頭は真っ白だ。

この頃、夫は優しい。

毎朝…
「今日も会えて嬉しいよ!」って…

私は、心の中でつぶやく。

ダメだよ!ダメだよ!
泣けてきちゃうモン…
もっと、元気になりたい!
ケンカできる位…

でも…

いつでも、となりにいてくれて…
ありがとう!





裕子